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NBA

“全盛期をNBAで観たかった”世界中のファンにそう思わせたアルビダス・サボニスが全米に与えた衝撃【レジェンド列伝・後編】<DUNKSHOOT>

THE DIGEST編集部

2022.02.17

■NBA引退後も、39歳にしてユーロリーグMVPに輝く

 1997―98シーズンは平均16.0点、10.0リバウンドの自己最高成績。2000年にはカンファレンス決勝に進んだが、シャック率いるレイカーズに屈し、アメリカでは頂点を極められなかった。当時のブレイザーズはコート内外でトラブルが頻発し、サボニスもマイク・ダンリービー・ヘッドコーチや一部の選手との関係が悪化したため、2001-02シーズンはリトアニアに帰国。翌年はブレイザーズに戻ってきたが、大した活躍はできずに、7年間のNBA生活に幕を下ろした。

 選手権共同オーナーとして母国のチーム、ザルギリスに復帰した2003-04シーズンは、39歳にしてユーロリーグのMVPに選ばれた。ヨーロッパとNBAで最高レベルに到達したサボニスは、ふたつのバスケットボールの違いについてこのように分析している。
 
「身体能力が高い選手が多く、接触も厳しいNBAは肉体的にタフだ。でも心理的には、試合数が少なく、どの試合も落とせないというプレッシャーが凄いユーロリーグの方が厳しいね」

 2010年のFIBA(国際バスケットボール連盟)殿堂に続き、翌2011年にはバスケットボール殿堂入り。バスケットボールが国技となっているリトアニアでは、サボニスは正真正銘の国民的英雄である。息子のドマンタスもNBA入りし、サクラメント・キングスで活躍中だ。

 サボニス以降も、多くのヨーロッパ出身選手がNBAの門を叩き、ダーク・ノビツキー(元ダラス・マーベリックス)のように大成功を収めた者もいる。だが、そのノビツキーでさえも、アメリカのファンに与えた衝撃度はサボニスに及ばない。ケガをする前のサボニスをNBAで観たかったとの思いは、ブレイザーズファンだけでなく、1980~90年代のNBAを知る者すべてが抱いているに違いない。

文●出野哲也
※『ダンクシュート』2011年7月号原稿に加筆・修正

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