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NBA

「ダンカンを思い起こさせる」名将ポポビッチも絶賛するスパーズの若きリーダー、マレーを突き動かす信念<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.04.08

 新しい選手の入団が決まると、マレーは真っ先にフロントオフィスに行ってその選手の電話番号をゲットするのだそう。そして自宅に招いての歓迎パーティーは、スパーズの恒例行事となっているという。

「彼は素晴らしいリーダーだ。コートの上だけでなく、オフでも頼れる兄貴って感じで、僕にとってはメンターでもある。やるべきことや、良いこと、悪いことを的確に示してくれて、僕たちを決して路頭に迷わせたりしない。それに、何か相談したい時は、電話しても、テキストを送っても、いつでも答えてくれるんだ。彼は、僕や他の選手たちに常にベストの状態でいてほしいと願っているのさ」

 そんなジョンソンのコメントを聞いただけで、ついていきたくなるようなマレーの人物像が窺えるが、後輩だけでなく、28歳と年齢的には先輩のジョシュ・リチャードソンなど、チームの数少ない年上選手からもマレーは一目置かれている。

「彼が話すと、みんなが耳を傾けるんだ。25歳にして、彼のようにチーム全体に影響を与えられる選手は滅多にいないよ」
 
 何より、「彼らが成功する姿が見たい。彼らが成功するということは、チームが成功するということだから」と語るマレー自身が、自分の経験を後輩たちと共有したいと考えている。

 ルーキーイヤーに下部リーグのDリーグ(現Gリーグ)でプレーしているマレーは、「Gリーグで経験を積むのは、絶対にその後に役に立つ」と若手を鼓舞し、コーチから信頼を得る術や、前十字靭帯断裂の大ケガからの復帰で学んだ経験などを、仲間へのアドバイスに生かしているという。

 そんな彼の意識の根底にあるのは、シアトルの荒れたストリートで育った自分が、バスケットボールに打ち込むことで人生を一変できた、という思いだ。

「僕はバスケが好きで、そのために努力することが楽しくてたまらない。お金とかは関係なく、好きだからやっている。負けた時はフラストレーションや怒りを感じる。そして、もっとチームを助けられる自分になるために改善できる部分はないかを探すんだ」
 
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