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NBA

「ダンカンを思い起こさせる」名将ポポビッチも絶賛するスパーズの若きリーダー、マレーを突き動かす信念<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.04.08

 若い頃から、ジムに通うといった“正攻法”でバスケを学んでこなかったことは、マレーにとってコンプレックスだ。しかしだからこそ、「もっと練習して、もっとバスケを知りたい」という刺激にもなっていると、彼は『スポーツ・イラストレイテッド』誌に語っている。

 パソコンに2試合、タブレットに2試合、スマートフォンには1試合ほど常に動画をストックして、空き時間はバスケの試合を見て過ごすマレー。バスケ漬けの彼には少し気分転換も必要だと、コーチ陣がルームメイトに外に連れ出すよう指示したが、徒労に終わったという入団当初のエピソードもある。

 そんなマレーは、フロント陣にとっても、次世代のスパーズを担う存在だ。現在シャーロット・ホーネッツのヘッドコーチで、かつてスパーズでアシスタントを務めていたジェームズ・ボーレゴは、「スパーズの人たちと話すと、彼らは心の底から『こいつが将来、ポイントガードとして自分たちを引っ張ってくれる』と、マレーのことを信じているんだ」と語る。
 
 スパーズは前述のケガで18-19シーズンを全休したマレーに、そのシーズンオフ、4年総額6400万ドルの契約延長を提示した。パフォーマンスがどれくらい回復するかも定かでない状況でのオファーだったが、GMのブライアン・ライトは「我々は、人に、そして、その人の取り組む意欲や、それが彼らにとってどれほどの意味を持つかに賭けている。彼(マレー)はこのリーグで長く活躍できる選手となるための資質、意欲、努力をすべて備えていると確信しているんだ」と、その理由を明かしている。

 それだけに、19-20シーズン、22年間続いた連続プレーオフ出場を途絶えさせてしまった時は、「自分の力不足だった」とマレーは深く責任を感じたという。

 そして昨季も、プレーインでメンフィス・グリズリーズに敗れてプレーオフ出場を逃した。上気道炎により現在4試合連続で欠場中だが、今季こそは同じ轍を踏むまいと、マレーは意欲を燃やしていることだろう。

 マレーのひとつ年下のザック・コリンズは、「勝負は、デジャンテがいかに試合に臨むかという、彼のマインドセットで決まる。俺たちはみな、彼の行く方向へ行く。そして彼のメンタリティーとは、すべての試合が“必勝”というものなんだ」と語っている。

 スパーズの新時代を担う若きリーダーは、テキサスの名門球団を、再びプレーオフの舞台へと導くことができるだろうか。

文●小川由紀子
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