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NBA

“史上最低のドラ1チーム”を識者が選定。ベネット、クワミ・ブラウンら“ある意味有名な選手”が勢揃い<DUNKSHOOT>

出野哲也

2022.04.18

【スモールフォワード】
アンソニー・ベネット
1993年3月14日生。203cm・107kg
2013年ドラフト1位
キャリアスタッツ:151試合、平均4.4点、3.1リバウンド、0.5アシスト

 ドラフト史上最悪の1位指名だろう。2013年のトップ指名権を持つクリーブランド・キャバリアーズは、ナーレンズ・ノエル(ケンタッキー大/現ニューヨーク・ニックス)を選ぶというのが大方の予想だったが、3~5位あたりの候補だったベネット(UNLV)の名前が呼ばれ、会場は大きくどよめいた。

 この指名にベネット本人も驚いたらしいが、1年目は平均4.2点、FG(フィールドゴール)成功率35.6%とまったくの不発。ケビン・ラブ獲得のためのトレード要員としてミネソタ・ティンバーウルブズへ放出され、ここでも伸び悩むとあっさり戦力外、わずか4年でNBA生活を終えてしまった。

 他球団の関係者は「我々の指名リストでは9番目だったから、1位は衝撃だった。でももっと衝撃的だったのは、こんなに早くリーグから消えてしまったこと。悪くてもシックスマンくらいにはなれると評価していた」と回想している。その後は海外を転々とし、現在は中国のCBAに在籍。NBAでは主にPFでプレーしたが、これといった該当者のいないSF(スモールフォワード)で選んだ。
 
【パワーフォワード】
クワミ・ブラウン
1982年3月10日生。211cm・132kg
2001年ドラフト1位
キャリアスタッツ:607試合、平均6.6点、5.5リバウンド、0.9アシスト

 1990年代半ばからケビン・ガーネット(元ウルブズほか)やコビー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)が活躍し始め、大学に進んでいない高卒選手がNBAで通用する道を開いた。しかしそうした成功例の陰で、無残な失敗例も多く生まれている。

 2001年、ワシントン・ウィザーズは高卒選手で初となる1位指名でブラウン(グリン・アカデミー高校)を獲得。3年目には平均10.9点、7.4リバウンドを記録するまでに成長したが、結局これがキャリアハイ。大半は控えのまま7球団を渡り歩き、通算607試合で平均6.6点、5.5リバウンドにとどまった。

 NBAで12年プレーしたのだから大失敗とまでは言えなくとも、下位指名であればともかく、1位としては最低級の成績であるのは事実。インディアナ・ペイサーズなどでブラウンと対戦したアル・ハリントンは「ウィザーズの球団社長だったマイケル・ジョーダンはすぐに結果を求める人なのに、高校生を指名したのが失敗。ブラウンは必要なサポートも得られず、自信をつけられなかった」と同情している。
 
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