「ウォリアーズは多くの称賛を与えるに相応しいと思う。あのチームは長い間、一緒にプレーしてきたからだ。彼らの遂行力は信じられないものだった」

　マブズのオーナーが振り返ったとおり、ウォリアーズはステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンがいずれも在籍10シーズン目を迎え、スティーブ・カーＨＣも就任８シーズン目と、核となるメンバーが長期間をともに戦ってきた。さらにケボン・ルーニーも在籍７シーズン目、大ベテランのアンドレ・イグダーラ（現フリーエージェント）もこのチームで５年連続NBAファイナル進出を経験している。

　対するマブズはドワイト・パウエルが最古参となる在籍８シーズン目で、ドリアン・フィニー・スミスが６年目、マキシ・クリーバーが５年目、ドンチッチとブランソンが４年目ながら、プレーオフ経験が圧倒的に不足しており、チームとしての経験値の差は歴然だった。

「僕らがカンファレンス・ファイナルにいるなんて、誰も予想していなかったはず。ウォリアーズは信じられないほど見事なプレーをしていて、全員がそれぞれの役割を理解している。それに長い時間をかけて作り上げてきたチーム。彼らは長い間一緒にプレーして、上質なバスケットボールをしていると思う。だから（彼らを倒すことは）本当に難しいんだ」
  　ドンチッチが３連敗を喫した後にそう語ったとおり、両チームの差はコート上で戦っていた選手たちの目にも映っていたのだろう。

　マブズを愛してやまないオーナーは、ウォリアーズとのシリーズを経験してみてこう感じたという。

「こうして長年一緒にプレーしてきた経験というのは、クラッチタイムの状況で何をすべきかわかるんだ。我々はまだその場に立てていなかった。10年間、ファーストラウンドを突破できていなかったからね。

　ウォリアーズの選手たちは（オフェンスとディフェンスの）両サイドで我々がどれほどアジャストしていようと関係なく、どの場所にいるべきかを把握していた。だから、我々には（ドンチッチに次ぐ）２人目のスターが必要だと強くは思わない。こうしたクラッチの状況に身を置いて経験を積んでいくこと、それが結果につながってくるんだ」