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NBA

「IQはアインシュタイン級」のジョーダン、堅実なストックトン&ダンカンーー優れた頭脳を持つ“ベストIQチーム”を厳選<DUNKSHOOT>

出野哲也

2022.09.21

【スモールフォワード】
ラリー・バード

1956 年12月7日生。206cm・100kg
キャリアスタッツ:897試合、平均24.3点、10.0リバウンド、6.3アシスト

 ジョーダンとは対照的に「跳べない白人」の代表格で、身体能力にはまったく恵まれていなかった。そのハンディキャップを跳ね返してスーパースターにのし上がった要素こそ、比類なきバスケットボールIQである。

 その資質が最大限に発揮されたのは、2勝2敗で迎えた87年のカンファレンス決勝第5戦。デトロイト・ピストンズを1点差で追う残り5秒の場面で、アイザイア・トーマスが誰にインバウンズパスを出すかを目の動きで予測。ビル・レインビアの目前でボールを奪い取ると、次の瞬間には走り込んできたデニス・ジョンソンへ完璧なパスを送り、逆転シュートに結びつけた。

 このプレーでも明らかだったように、状況を判断する能力は超一流。ヘッドコーチのビル・フィッチが「ラリーはカメラで写したようにコート全体を見ることができる」と言った通り、味方がどこにいるかを正確に把握した上で、相手の意表を突くアシストパスをあらゆる角度から繰り出した。

 名選手とまでは言えないレベルながら、IQが非常に高かった選手としてシェーン・バティエの名も挙げられる。
 
【パワーフォワード】
ティム・ダンカン

1976年4月25日生。211cm・113kg
キャリアスタッツ:1392試合、平均19.0点、10.8リバウンド、3.0アシスト

 ウェイクフォレスト大で心理学を学んだビッグマンは、基本に忠実なプレースタイルで、ついた渾名がミスター・ファンダメンタル。リスクの高い派手なプレーは一切せず、徹底して確率重視だった。ゆえに見ていて面白くないとの陰口もたたかれたが、それが正解だったことは結果が証明している。

 得意技は、バックボードの角度を利用して決めるバンクショット。ダンクや3ポイントのような華やかさはなくても、計ったようにリングへ吸い込まれていく美しさはあった。同時代のライバル、シャキール・オニールは「どんなにトラッシュトークを仕掛けても全然動じなかった」とその冷静沈着さに脱帽していた。

 97年にサンアントニオ・スパーズに入団して以来、引退する2015-16シーズンまで、チーム勝率は最低でも61.0%で毎年プレーオフに進出。5度の優勝を果たしたチームには、ダンカン以外にもマヌ・ジノビリ、ブルース・ボウエンら、自分の仕事をやり遂げるIQの高い選手が揃っていた。
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