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NBA

最大の番狂わせはスペインの優勝!? ヤニス、ヨキッチ、ドンチッチがベスト4前に敗退…【ユーロバスケット2022総括Part.1】<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.09.21

 ヨキッチも、チームハイの21.7点、10リバウンドと、やるべき仕事をまっとうしていた。セルビアは、グループリーグの得失点差は24カ国中断トツの+105。選手たちいわく、チーム内のケミストリーも最高に良かったとのことだから、イタリアに敗れたラウンド16の試合は、相手に特別な力が降臨したとも言える。

 最も「がっかり」だと言われているのはスロベニアのルカ・ドンチッチだが、フランス戦では大会史上2位の47得点。平均26点、7.7リバウンド、6.6アシストはいずれもチーム最多と、エースとして奮闘していた。

 ほかにもNBA選手のゴラン・ドラギッチやブラッコ・チャンチャーがいたとはいえ、セルビアやギリシャと比べて、全体のチーム力ではスロベニアが一段劣り、ドンチッチへの負担が大きかったのは否めない。

 一方で、「NBA」という看板を実感させる活躍を見せたのは、フィンランドのラウリー・マルッカネンや、元ブルックリン・ネッツのジャナン・ムサ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)だ。

 前者は、ラウンド16のクロアチア戦で43得点を奪った得点力もさることながら、自身を囮に周囲を生かすプレーが素晴らしかった。彼がいなければ、間違いなくフィンランドのベスト8入りはなかった。

 後者は、その彼をも上回る、フィールドゴール成功率62.8%、3ポイント成功率45%という、効率抜群のパフォーマンスで、グループリーグではスロベニア撃破に貢献した。
 
■新NBA組の活躍 
 準々決勝のフランス戦では、試合終了後の勝負どころでフリースローを2本外して敗戦に寄与する、という残念なプレーはあったが、イタリア代表のフォワード、シモーネ・フォンテッキオの今大会での活躍は目覚ましかった。入団が決まっているユタ・ジャズでも出場機会を得て欲しいところだ。

 そしてギリシャに帰化したアメリカ出身のガード、タイラー・ドーシー。オレゴン大でディロン・ブルックス(現メンフィス・グリズリーズ)と共闘したガードは、2017年のドラフトでアトランタ・ホークスから2巡目41位指名を受け、NBAで2年間プレーした(ブルックスは同年の45位指名)。

 今回のダラス・マーベリックスとの2WAY契約は再挑戦となる。パフォーマンスにややムラがあるが、彼も「ボールを持たれると怖い」プレーヤー。

 会場に訪れた球団OBのダーク・ノビツキーも「彼は優秀なシューターであるだけでなく、ボールハンドリングも上手いし、ピックアンドロールにも長けている。彼が加わるのはエキサイティングだ。キャンプでの再会を楽しみにしている」と期待を口にしていた。この大会は良いお披露目になったことだろう。

文●小川由紀子

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