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NBA

【NBA】“セルビアのとんでもない逸材”ボグダン・ボグダノビッチが歩んできたエリート街道<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.03.19

 ホークス入団初年度はスターターを務めていたが、昨季後半戦からはベンチスタートが定番となっている。しかし彼はむしろ、その方が真価を発揮できる選手でもある。最初にベンチから試合の様相をじっくりと観察することで、投入された時点で何をどうすればいいかが頭に入っているから、的確に効率のいい仕事ができる、といったタイプのプレーヤーだ。

 現在、ボグダノビッチはホークスで最年長メンバーだ。NBAでのプレー歴では、2014年のNBAドラフト同期のクリント・カペラが上回るが、28歳の彼でもキャリア9年目。そしてドラフト後も3年間ヨーロッパでプレーを続けていたボグダノビッチは6年目と、ホークスは若いチームだ。

 ドラフト後に3年間プレーした欧州の強豪フェネルバフチェでも、当時21歳だったボグダノビッチは、若手が多いチームでリーダー役を担い、チームとともに成長した経験を味わっている。そして3年目には見事、球団初のユーロリーグ優勝も成し遂げた。
 
 ティーンエイジャーだった彼が頭角を現わし始めた頃、欧州では「またセルビアからとんでもない逸材が登場した」と騒がれた。

“クールで、正確無比なプレーをする死角のない選手”というのが彼の評判で、セルビアの名門パルチザンでプロデビューし、そこから同胞の名将ジェリコ・オブラドビッチに引き抜かれてユーロリーグ優勝という、エリート街道を彼は順調に歩んできた。そこまでの7年のプロキャリアの間に、国内タイトルやMVPといった個人賞など、手に入る勲章はほぼすべて手に入れ、ボグダノビッチはアメリカに挑戦した。

 サクラメント・キングスでデビューした当時「NBAのスピードについていくのが大変」だと漏らしていた彼が、最年長選手となって、新指揮官の下でチームの支柱の一端を担っている。プレーオフ出場をかけてラストスパート中のホークスの奮闘とともに、ボグダノビッチの活躍にも注目したい。

文●小川由紀子

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