専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

急成長を遂げたマルッカネンが告白。“今夏のワールドカップ参戦と兵役従事”の理由<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.04.09

 昨夏のユーロバスケットで、マルッカネンは1試合で43得点をマークするなど、チームの支柱としてフィンランド代表の準々決勝進出に貢献した。“代表バージョン”のマルッカネンとは、ある時は主役、ある時は縁の下の力持ちとなりながら、攻守両面でチームを牽引する絶対的なフロアリーダーであるが、いわゆる“何でも屋”だったキャバリアーズ時代よりも多くの責任を与えられたことで、彼は本来の自分の持ち味をさらに発揮できることになったのだった。

 マルッカネンはすでに、今夏アジア(フィリピン、インドネシア、沖縄)で開催されるFIBAワールドカップに出場することを明言。

「国を代表することは、いつだって名誉なこと」という気持ち的な面だけでなく「大会という目的があることで夏のワークアウトではさらにモチベーションが上がるし、その後すぐにNBAのシーズンが始まるから、良い感じで(コンディションを)つなげていける」と、新シーズンへ向けた調整面でも役立つと話している。

 身体を十分にメンテナンスできないことを理由に代表招集を辞退する選手もいるが、ジャズでの成功体験は、国際トーナメントに参戦することの意義を、よりポジティブなものにしているようだ。
 
 しかしこのオフ、マルッカネンにはもうひとつやるべき課題がある。“兵役”だ。

 フィンランドでは、18歳になった男子には兵役が義務付けられていて、30歳の誕生日を迎えるまでに終えている必要がある。部署や役割によって異なるが、通常は6か月から1年ほどで、アメリカのアリゾナ大に進学したために18歳時にタイミングを逃したマルッカネンは、26歳を迎えるこの夏に従事する考えであることを、米メディア『ESPN』に明かしている。

「これは義務だからやらなきゃいけないことだけれど、同時に誇りを感じることでもある。 兵役に就くことの模範を示すことにもなると思うんだ。来シーズンの準備にも影響しないようにできる自信もある」

 彼は、ハイレベルのアスリートが派遣されることが多い“国防軍スポーツ学校”に配属される模様だ。この学校のホームページを見てみると、ここでの主な軍事訓練は「緊急時や戦時中の偵察部隊の訓練」とある。
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号