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NBA

ノビツキーはレイカーズでコビーと共演する可能性もあった? 移籍に揺れた当時の秘話を明かす<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.04.22

 マブズはノビツキーがエースとなった01年以降、毎年プレーオフへ出場し、06年にはウエスタン・カンファレンスを制してファイナルまで辿り着いた。だが翌07年から10年までの4年間でファーストラウンドを突破したのは09年の1度のみと、頂点には手が届かずにいた。

 迎えた2010年夏、コビーはレイカーズで2連覇を達成した直後とあって、ノビツキーとの状況はまるで正反対だった。

 それでもノビツキーは同年オフにマブズと延長契約を締結。結果的に翌11年にマブズへ初のチャンピオントロフィーをもたらし、自身はファイナルMVPに輝いた。その時のことをこう振り返る。

「私は初めて2010年にFAとなった。そこでマーク(キューバン/マブズオーナー)の家に行ったんだ。代理人を入れずにね。彼は『私の家に来なさい。2人で話し合って解決しようじゃないか』と言って、いろいろと話したんだ。

 そこでこれまでお互いにどのようなことを乗り越えて、どれだけ(優勝に)近づいたか、悔しかったかを語り合っていたら、2人ともすごく感情的になってしまい、涙もこぼれた。そして私は『ずっとここにいたい』と伝えて、彼も私に残ってほしいと言ってくれた。そこで4年の延長契約に合意した。その契約の1年後、チャンピオンシップを勝ち取ったんだ」
 
 マブズで過ごした21年間で、ノビツキーはスティーブ・ナッシュやジェイソン・キッド(現マブズ指揮官)、マイケル・フィンリー、ジェイソン・テリー、ショーン・マリオンといった名選手たちとプレーしてきた。

 キャリア晩年はシュート数も減少し、最後のシーズンにはベンチスタートにもなったが、球団はノビツキーの功績に感謝し、両者の間に素晴らしい関係があったからこそ、21年という長い時間をともに歩むことができたのだろう。

 今年8月の殿堂入り式典で、ノビツキーがプレゼンターとしてどの人物を任命するのか、そしてどんなスピーチを聞くことができるのか、楽しみに待ちたいところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)
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