セルティックスOBのエディ・ハウスは、22日に地元メディア『NBC Sports Boston』の番組「Early Edition」へ出演した際、「セルティックスのリーダーはスマートだった」と語りつつ、テイタムとブラウンにとってはチャンスだと述べた。

「私としては、ジェイソン・テイタムとジェイレン・ブラウンにとって最高の機会になると思っている。彼らがステップアップして『ここは僕らのチーム。僕たちがリーダーなんだ』と言えるからね」

　セルティックスはテイタムとブラウンのほか、ベテランビッグマンのアル・ホーフォード、ガードのデリック・ホワイトにマルコム・ブログドン、リムプロテクターのロバート・ウィリアムズ三世ら主軸が軒並み契約下にいるため、大幅な戦力ダウンに陥ることは考えにくい。

　ただし、テイタムとブラウンがチームを引っ張るリーダー格として成長できなければ、身体を張ったハッスルプレーに加えてヴォーカルリーダーも務めてきたスマートの穴は埋められないだろう。
  　スマートにとってはまさに寝耳に水のトレードとなったわけが、個人としてチャンピオンシップを獲得する可能性がなくなったわけではない。

　グリズリーズは今季のプレーオフ１回戦でロサンゼルス・レイカーズに２勝４敗で敗れたとはいえ、このシリーズでは先発センターのスティーブン・アダムズ、控えビッグマンのブランドン・クラークをケガで欠いていた。レギュラーシーズンでは２シーズン連続でウエスタン・カンファレンス２位の戦績を残しているだけに、来季も上位進出は見込めるだろう。

　チームはオールスターガードのジャ・モラントが拳銃所持問題でリーグから25試合の出場停止処分を科され、来季序盤戦の欠場が決定しているものの、アダムズやクラーク、そして主力のジャレン・ジャクソンJr.やデズモンド・ベインは健在。このなかでスマートが持ち前のハードワークを発揮し、豊富な経験を持ち込むとこができれば、グリズリーズは一段階上のタイトルコンテンダーに名乗りを上げられるはずだ。

文●秋山裕之（フリーライター）