空き時間に台本を練習しているのをこっそり見つけてしまった佐々木クリスだったが、モー・ムーンシーは渾身の質問を最後に取っていた。

「最も好きなマイケル・ジョーダンの名シーンは？」という問いにルカは「（ユタ・ジャズとの1998年NBAファイナル） Game6 ユタでの“ the Shot”」、テイタムは『（クリーブランド・キャバリアーズとの1989年 プレーオフ１回戦）キャブスのクレッグ・イーロー越しに決めたショット』、ザイオンは「1988年オールスター、フリースローラインからのダンク」とそれぞれ思い入れのあるシーンを回答。実に和やかでありながら、３人の素顔が伺える素晴らしいQ&Aのひとときだった。

～夢が叶った。自分にできるなら君にもできる～

　そんな３人は、100万人に１人のプレーヤーたち。そんなNBA選手たちの中でも『Jordan Brand』のシグネチャーラインを持てるのは先鋭中の先鋭のみ。自身のシグネチャーラインを持てたことに関しては、３人とも「夢が叶った」と言葉を揃える。グループQ&Aを終え、1on1のインタビュー形式に移ったあとも、シグネチャーに対する想いやストーリーを共有してくれた。
  「２足目、３足目と進むほど、自分自身を表現できていると感じる」と打ち明けたザイオン。『ザイオン3』の泥跳ねの様なデザインは、『ジョーダン3』のエレファント柄のようにシューズの象徴だと言葉に力を込めていた。

　そして「みんなには挑戦を続ける限りチャンスがあることを知ってほしい。そして“他人を見返してやる”というより、自分に対して“ほらやっぱりできた”と伝えるのが自分の心情さ」と次世代への言葉を紡いだ。
 

　１作目からラテン語でシューズに“決して諦めるな。降伏するな”と刻んだルカ。母国スロベニアを13歳で後にしながら、リリースされる数々のカラーリングは彼の祖国への想いを感じずにはいられない。また、ルカシリーズに特有のIsoプレートはルカのステップバックを支えるためにあるが、「ステップバックを多用する自分だからこそ重要」とルカのお墨付き。「特にスペース作りが自分のシューズ作りの重要な要素」とにこやかに語っていた。