そして2023年NBAオールスターゲームで初代シグネチャーモデルをお披露目し、即座に大会記録となる55得点をあげたテイタムは、「新たな記録を打ち立てられるとは思っていなかったけど、みんなから“新しいシューズを履いてるのだからMVPを狙いにいきなよ”とハッパをかけられた」と、MVP受賞の裏側を明かしてくれた。

　また、世界中の次世代アスリートへこんなメッセージを発信。心を鷲掴みにされた。

「大きすぎる夢なんてないことを知ってほしい。出身や境遇を問わず、どんなに背が高かろうが、低かろうが、世界中の子どもたちに大きな夢を描くように挑戦状を送りたい。

　ただ、忘れてはいけないのは、大きな夢を持てば持つほど責任も大きくなる。（夢と責任の）ふたつは同時に果たさなければならない。NBA選手でなくてもいい。世界で活躍する医師も、同じく努力が必要になる。大きすぎる夢は存在しないけれど、同じくらい多大な努力をする必要があるよ」
 

　最後に、この日のスポットライトは新たに“Jordan Brand Family”の仲間となったギャビー・ウィリアムズに当たった。フランス代表も務めるばかりか、2022年のユーロリーグチャンピオン。アメリカとフランスにバックグラウンドを持ち、多くの女性プレーヤーのロールモデルとなっている彼女が“Family”に加わったことで『Jordan Brand』はより多くの次世代アスリートの背中を押してくれることだろう。
 

～最高の自分を目指す勇気～

　スーパースターたちがつい先程まで居合わせた余韻に浸りながら、まだ“Jordan Brand Basketball Design Studio”でTシャツの作成を終えていなかった僕は、この日を忘れないために、胸にプリントするロゴの順番を壇上に並ぶ選手に合わせてみた。
 

　もしかすると、今回のセッションで垣間見えたルカ、テイタム、ザイオンのストーリーと、これを読んでいるみなさんのストーリーが重なり合う部分もあるかも知れない。個人的には、自分以上の何かとつながっている気持ちほど勇気が持てる瞬間はない。

　“Be like Mike…”。全員がマイケル・ジョーダンやルカ・ドンチッチになれるわけではないが、彼らが日々コートで見せてくれる情熱、最高の自分であろうとする取り組みは真似ることができる。その時に、最高のバックアップや相棒がいてほしいと考えるのは、みな同じなはず。

　最高の存在にだけ許されたブランドではなく、最高の自分になりたい、すべての人にパワーを与えてくれるブランド。そのメッセージを感じることが出来た２時間だった。