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バスケW杯

【バスケW杯】堅守でイタリアを圧倒したアメリカ。カーHCも手応え「あと2試合を勝ちにいくことにつながるパフォーマンスだった」<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.09.06

 バンケロは父方がイタリア系のため、大会前は同国の代表としてプレーする話も出ていた。しかし最終的にアメリカを選んだことで、ポッツェッコHCが激昂した報道も出ていたが、実際には打撃は受けていなかったようだ。

「我々のプレーは典型的なヨーロッパスタイル。ドリブルはあまりせず、ピック&ロールでアドバンテージを作り、ボールをよく動かす。もしバンケロが加わっていたら、彼に我々のプレーを理解してもらう必要があった。彼と少し話をしたところ、彼はすごく頭のいい青年だったから、すぐに理解して戦力になってくれたとは思うけどね」(ポッツェッコHC)

 現場で取材していたイタリアメディアも、「バンケロがチームに加わるのは、甘いケーキに辛いスパイスをふりかけるようなもの。だから我々は(イタリア代表を選ばなかったことを)残念だったとは思っていないし、今日負けたのも、彼がいなかったからではない」と言い切っていた。
 
 それにしても、勝敗がどう転ぶかは、わからないものだ。

 3日にアメリカに勝利したリトアニアはこの大一番でエネルギーを使い果たし、準々決勝でセルビアに大敗。一方のアメリカは、「自分たちにできることを見せてやろう、というカンフル剤になった」(ウォーカー・ケスラー)と、気合いを入れ直してイタリアに大勝した。

 今大会のアメリカは「Bチーム」と言われ、現地の報道陣の間では、「チームUS“A”ではなく、チームUS“B”だ」などと揶揄されているが、仮に“USB”であっても、彼らは優勝だけを求めて最後までハードに戦い抜くだろう。

文●小川由紀子

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