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NBA

主力の相次ぐ離脱で絶対王者からリーグ最下位に……。一時代を築いたウォリアーズが描く逆襲のシナリオとは?

北舘洋一郎

2019.12.16

チーム成績が芳しくない中で数少ない好材料が新人パスカルの台頭。ドラフト2巡目指名ながら、ここまで平均16.1点をマークしている。(C)Getty Images

チーム成績が芳しくない中で数少ない好材料が新人パスカルの台頭。ドラフト2巡目指名ながら、ここまで平均16.1点をマークしている。(C)Getty Images

 今季、チームのエースを務めるディアンジェロ・ラッセルはまだ23歳で、カリー、トンプソンとともに3ガードローテーションを担うウォリアーズのキーパーソンだ。

 フロントは今夏にサイン&トレードでラッセルをチームに加えた。この動きには批判的な声も聞かれたが、アシスタントコーチのロン・アダムズはラッセル獲得の経緯について次のように述べている。

「我々はリビングストンの代わりとなるバックアップガードを探していたが、まったく同じタイプを探すのは難しいのでこう考えることにした。違った3ガードローテーションを担うことができ、デュラントの穴も埋めることができるタイプでもいいと。その結果としてラッセルが候補に挙がった」

 そしてリビングストンが担ったディフェンスでのリーダーシップは、グリーンが中心に立ち、ハッスルプレーで頭角を現わしてきたルーキーのエリック・パスカルとジョーダン・プールにも伸びしろを感じさせる。

「NBAでドラフトにかかる選手は、学生時代は皆チームのエース。得点力に長けているのが当たり前だ。しかし、NBAで得点力をアピールできる選手は限られていて、プレータイムを得るためにディフェンスで貢献できることを示さなければならない。オフェンス力が高い選手にしっかり教え込めばディフェンスで大化けすることが多い。パスカルとプールにはそういう部分も持っている」とマイヤーズは語った。
 
 おそらく、今季のウォリアーズはプレーオフを逃すだろう。しかし、彼らは来シーズンにファイナルへ返り咲くための準備を進めており、その輪郭は少しずつ見え始めているのではないだろうか。

 カリー、トンプソン、ラッセル、グリーン、ルーニーはすでに安定感のあるメンバーだ。その一方で、プール、グレン・ロビンソン三世、カイ・ボウマン、デイミオン・リー、アレック・バークスのバックコート陣、ウィリー・コーリー・スタイン、オマリ・スペルマン、パスカル、マーキーズ・クリスのフロントコート陣はまだチーム内での地位を確立できていない。

 来季優勝候補に返り咲く上で彼らの中から5、6人はローテーションに入るかもしれないが、トレードで優勝経験のあるベテランを連れてくる可能性もある。若手にとっては今が競争の時なのだ。

 カリーとトンプソンが復帰した際にどれだけ時間をかけずにチームケミストリーを作り込めるか。それが今後のウォリアーズの見どころになるだろう。

文●北舘洋一郎

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