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NBA

「レフェリーは俺らを追い出そうとした」“元祖問題児”ウォーレスが審判&現代NBAに不満爆発「今のバスケは巧妙な仕掛けばかり」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2024.01.22

 ただ、ウォーレスとしては当時レフェリーを務めていた3人の判定には今でも納得できておらず、ポッドキャスト番組を通じてこう不満を述べていた。

「俺は27分で5ファウルだった。(アントニオ)マックダイスは23分で4つ、ベンは37分で5つ吹かれた。で、ティム・ダンカンは41分間でたったの2回だった。これ以上、俺がなにか言う必要があるか?あいつら(レフェリーたち)は俺たちを(コートから)追い出そうとしたんだ。彼らは間違いなく、序盤からファウルを重ねさせて俺たちを追っ払おうとしたのさ」

 ピストンズとスパーズのシリーズは、両チームとも平均90.0点未満というロースコアで、玄人好みのゲームが展開。スパーズにはダンカン、マヌ・ジノビリ、トニー・パーカーという得点力に優れたビッグ3がいたものの、この年はディフェンシブなシリーズの末、スパーズに軍配が上がった。

 そのシリーズから約20年が経過した今。ウォーレスの目にはNBAの試合が別物のように映っているという。
 
「今は基準が違うんだと思うね。まったく異なるゲームが展開されているからだ。俺がプレーしていた当時はもっとフィジカルだった。あの頃はもっと1人ひとりが特性を持っていた。だが今じゃひとつの次元でやっているように見えるね。

 誰もが3ポイントを打ちたがる。打てないと知っているヤツでも打ち続けるんだ。それがゲームの一部になってしまっている」

 NBAでは2000年代中盤にハンドチェックルールが廃止されたこともあり、これまで以上にガード陣が台頭。ドライブからのフィニッシュでコートを支配する選手たちが増え、ゲームはよりオフェンシブな展開へと変わっていった。

 そして2010年代に入ると、リーグは3ポイント全盛の時代に。ウォーレスのようなパワーフォワードは当然として、センターでもガード陣やエース格のためのスペーシングを確保すべく“ストレッチ化”し、コーナーへ待機したり、3ポイントライン付近を行き来して長距離砲を繰り出すことが散見されることとなった。
 
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