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NBA

バスケットボールアナリストの佐々木クリスがプレーオフの見どころを語る!八村塁は「レイカーズのキーマン」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2024.04.11

クリス氏はヨキッチの凄さを「彼だけ2秒先の未来を予見したがらプレーしている」と語った(C)Getty Images

クリス氏はヨキッチの凄さを「彼だけ2秒先の未来を予見したがらプレーしている」と語った(C)Getty Images

――ヨキッチのどのあたりが凄いのでしょうか。

クリス:彼だけ2秒先の未来を予見しながらプレーしている感じですね。ヨキッチは見えているものが違います。最近のナゲッツは、ジャマール・マレーが不在で落とすゲームも増えていますけど、ヨキッチは遊んでいるとは言わないまでも、どこまで相手を欺けるかとか、相手を操れるかとか、先々を踏まえて試している感じに見えます。

 スターウォーズのジェダイみたいに相手を操れる感じですね。例えばジェダイが「あなたは扉を開ける」みたいに言うような感じで、ヨキッチがディフェンスに「あなたはこっちに動く」と言って動かして、逆にパスを出すみたいなイメージです。そして操った先にチームメイトたちが阿吽の呼吸で反応しています。そんなナゲッツのカギを握るのは、アーロン・ゴードンなので、ヨキッチとゴードンの動きを見ているのは面白いと思います。

――ウルブズ好調の要因はなんでしょうか。

クリス:僕は4位くらいに予想していましたので上位にいるのは不思議ではないのですが、ここまで首位争いに絡んでくるとは思いませんでした。その中で、何と言ってもリーグトップのディフェンスが好調の要因です。オフェンスでは通称“アントマン”のアンソニー・エドワーズが、いよいよ球団の顔として攻撃を牽引しています。特に彼のダンクシュートは、アベンジャーズに出てくるアイアンマンが叩き込んでいるのではないかと思わせるぐらいの跳躍力で人間離れしています。

 このエドワーズとルディ・ゴベアの2人が最重要プレーヤーだと思いますが、ベテランのマイク・コンリーがこの2人をうまく操っています。コンリーは古き良き時代のポイントガードで、うまく手綱を引いて最高のバランスになっています。ただディフェンスのチームなので、ヨキッチがいるナゲッツやセルティックスなどと比べると、終盤にオフェンス力が低下する課題を乗り越えることが、彼らのプレーオフでの成功を左右すると思います。
 
――サンダーは若い力が躍動して上位争いしています。その中で注目選手は誰でしょうか。

クリス:何といってもチームの柱はSGA(シェイ・ギルジャス・アレキサンダー)です。彼が昨季からMVP級の領域に入ってきて、いよいよ今季は正当なMVP候補の1人になったわけです。SGAがすごいのは分かっていたけど、正直言ってサンダーが50勝するとは思いませんでした。NBAで最も平均年齢の若いチームのひとつがここまでの戦いをするとは思っていなくて、好調の理由のひとつはチェット・ホルムグレンが即戦力で活躍していることです。3ポイントも打ててブロックも凄い、リーグ屈指のストレッチ5です。

 とにかくサンダーは1、2年目の選手たちの貢献度が凄まじいです。ペイントアタックする選手と3ポイントを打つ選手が、“ウニいくら丼”みたいに最高級の状態で揃っています。SGAは4シーズン連続でリーグトップのドライブ数をマークしていますし、その周囲に優秀なシューターがいます。そんなサンダーは手に負えない状態ですね。

 SGAの他に注目して欲しい選手は“ジェイダブ”の愛称で親しまれているジェイレン・ウィリアムズ。来年のオールスター出場は堅いと思うほどの選手です。プレーオフになると経験がモノを言うと言われますが、サンダーに関してはそういったことは問題ならずに勝ち進むチャンスは十分にあると思います。
 
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