事の発端は、第2代NBAプレジデント(後に“コミッショナー”へ改名)、ジェームズ・ウォルター・ケネディの思いつきだった。1967年、新たなプロバスケットボールリーグ、ABA(アメリカン・バスケットボール・アソシエーション)が誕生する。
アメリカ国旗の色をもじった3色のカラフルなボールをトレードマークに、NBAでは滅多にお目にかかれない派手なスラムダンクや、他リーグに先駆けて3ポイントシュートを導入するなど、よりダイナミックかつエキサイティングなプレースタイルを前面に押し出し、若者の心を捉えることに成功。NBAの強力なライバル団体として、その牙城をじわじわと崩していった。
ライバルの台頭に危機感を覚えたケネディは、一計を案じる。1950年代に長らくハーレム・グローブトロッターズの広報部長を担い、NBAの要職に就く前はコネティカット州スタンフォードの市長を務めるという異色の経歴を持つケネディは、優れた策略家でもあった。
1968年秋、MLBは野球のプロ化100周年を記念して、新たなロゴマークを制作し発表した。デザインを担当したのは、ニューヨークに拠点を持つマーケティング会社『サンドグレン&マーサ』のグラフィックデザイナー、ジェリー・ディオール。赤と青を背景に、バットを構えた白地の選手とボールが横位置に配置されたデザインは、“モダンブランドデザインの傑作”と讃えられている。そのプロジェクトの監修を務めたのが、同僚のアラン・シーゲルだった。
MLBのロゴをひと目見て気に入ったケネディは、NBAのブランドイメージ確立と、ABAとの差別化を目論み、NBAへのロゴ導入を決断する。すぐさまシーゲルに制作を依頼し、MLBのロゴと同様に赤白青の3色の使用と、選手のシルエットでの構成をリクエストした。アメリカ国旗と同じ色を採用することで、バスケットボールを野球と同じく“オールアメリカン・スポーツ”に位置付けたいという狙いもあった。
シーゲルは1969年に『サンドグレン&マーサ』を退社し、同僚と新たにブランディング・コンサルタント会社『シーゲル+ゲール』を立ち上げ、大成功を収める。業界の第一人者となり、クライアントリストには3M、アメックス、Dell、マスターカード、ディズニー、マイクロソフトなど、名だたる企業が並んでいる。その最初期に依頼を受けた仕事が、NBAロゴの制作だった。
アメリカ国旗の色をもじった3色のカラフルなボールをトレードマークに、NBAでは滅多にお目にかかれない派手なスラムダンクや、他リーグに先駆けて3ポイントシュートを導入するなど、よりダイナミックかつエキサイティングなプレースタイルを前面に押し出し、若者の心を捉えることに成功。NBAの強力なライバル団体として、その牙城をじわじわと崩していった。
ライバルの台頭に危機感を覚えたケネディは、一計を案じる。1950年代に長らくハーレム・グローブトロッターズの広報部長を担い、NBAの要職に就く前はコネティカット州スタンフォードの市長を務めるという異色の経歴を持つケネディは、優れた策略家でもあった。
1968年秋、MLBは野球のプロ化100周年を記念して、新たなロゴマークを制作し発表した。デザインを担当したのは、ニューヨークに拠点を持つマーケティング会社『サンドグレン&マーサ』のグラフィックデザイナー、ジェリー・ディオール。赤と青を背景に、バットを構えた白地の選手とボールが横位置に配置されたデザインは、“モダンブランドデザインの傑作”と讃えられている。そのプロジェクトの監修を務めたのが、同僚のアラン・シーゲルだった。
MLBのロゴをひと目見て気に入ったケネディは、NBAのブランドイメージ確立と、ABAとの差別化を目論み、NBAへのロゴ導入を決断する。すぐさまシーゲルに制作を依頼し、MLBのロゴと同様に赤白青の3色の使用と、選手のシルエットでの構成をリクエストした。アメリカ国旗と同じ色を採用することで、バスケットボールを野球と同じく“オールアメリカン・スポーツ”に位置付けたいという狙いもあった。
シーゲルは1969年に『サンドグレン&マーサ』を退社し、同僚と新たにブランディング・コンサルタント会社『シーゲル+ゲール』を立ち上げ、大成功を収める。業界の第一人者となり、クライアントリストには3M、アメックス、Dell、マスターカード、ディズニー、マイクロソフトなど、名だたる企業が並んでいる。その最初期に依頼を受けた仕事が、NBAロゴの制作だった。
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