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NBA

「キャリアが終わったと思った」数々の苦難を乗り越え、最強のシックスマンへと上り詰めたルー・ウィリアムズ

ダンクシュート編集部

2020.01.09

短い期間ではあったが、アイバーソン(右)とは師弟関係を築いた。(C)Getty Images

短い期間ではあったが、アイバーソン(右)とは師弟関係を築いた。(C)Getty Images

 一歩身を引いてロールプレーヤーに徹し、リーグを代表するスーパースターから多くを学ぶことを決断。お互いに絆を築き、アイバーソンはウィリアムズにとって“師匠”になった。ウィリアムズは当時についてこう述懐する。

「俺はロールプレーヤーとしての役割に徹することにしたんだ。彼(アイバーソン)は殿堂入りする選手だし、MVPに輝いたこともある名選手。彼がベンチ出場という役割を受け入れるとは思わなかったからね。時間が経つにつれてメンター(師匠)とメンティー(弟子)の関係になった。彼はおそらく自分の経験すべてを俺に吸収してほしかったんだと思う」

 10年3月にアイバーソンはシクサーズから放出され、わずか数カ月で師弟関係にはピリオドが打たれたが、“可愛い弟子”について、「彼は俺を尊敬していた。俺がどれほど(彼を)気にかけているか知っていたからね。すべてを受け入れていたし、俺が間違ったことを言っていないとわかっていたと思う」と語っている。
 
「チームが勝つためになんでもする——。そんな決まり文句をよく聞くけど、俺はその状況に置かれた。チームの一員でありたければ、役割を受け入れるってことさ。俺はセルフィッシュな人間ではなく、チームプレーヤーとして記憶されていたかった。正直な話、もし俺がリザーブとしての役割を受け入れていなかったら、たぶん俺のキャリアは終わっていただろうね」

 ウィリアムズがそう振り返るように、テクニックとシュート力を生かしてインスタントスコアラーとして覚醒。12年にアトランタ・ホークスへ移籍し、トロント・ラプターズ、ロサンゼルス・レイカーズ、ヒューストン・ロケッツ、クリッパーズと渡り歩くことになるが、常にシックスマンとして重宝されてきた。

 17年、6カ月で2度のトレードを経験した際は「(キャリアは)もう終わった」と思ったと当時の胸中を明かしているが、クリッパーズでは加入初年度から2年連続でシーズン平均20点以上をクリア。今季もカワイ・レナードとポール・ジョージの二枚看板に次ぐ、チーム3位の19.6点をあげていることからも充実ぶりが窺えるだろう。
 
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