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NBA

ジョーダンの“ザ・ショット”で25年ぶりの頂点に立ったノースカロライナ大。そして全米屈指の名門校へ【名門カレッジ史|後編】

出野哲也

2020.01.08

1年生だったジョーダンの“ザ・ショット”で、25年ぶりの全米制覇を成し遂げた。(C)Getty Images

1年生だったジョーダンの“ザ・ショット”で、25年ぶりの全米制覇を成し遂げた。(C)Getty Images

 1982年、チャペルヒル(ノースカロライナ大/UNCの所在地)にバスケットボールの歴史を変えた男、マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)が足を踏み入れる。幼少期は同じノースカロライナでも、NCステイト(ノースカロライナ州大)のファンだったジョーダンだが、指揮官のディーン・スミスやアシスタントコーチのロイ・ウィリアムズに熱心に勧誘されて志望校を変更。1年生で先発の座を確保すると、NCAAトーナメントでは準決勝でクライド・ドレクスラー(元ポートランド・トレイルブレイザーズほか)、アキーム・オラジュワン(元ヒューストン・ロケッツほか)擁するヒューストン大を撃破した。

 決勝の相手は、スーパー1年生パトリック・ユーイング(元ニューヨーク・ニックスほか)率いるジョージタウン大。決戦の舞台となったルイジアナ・スーパードームの6万1612人の大観衆の前で、両校は一進一退のシーソーゲームを繰り広げる。
 
 試合残り57秒でジョージタウン大が62-61と1点を勝ち越し、次の攻撃でスミスは28得点を稼いでいたエースのジェームズ・ウォージー(元ロサンゼルス・レイカーズ)ではなく、ジョーダンにシュートを打たせる作戦を立てた。そしてこの恐るべき1年生は、左サイドの16フィートからのジャンプショットを冷静にヒット。最後はウォージーのスティールでジョージタウン大の反撃を防ぎ、1点差で勝利を収めた。

「プレッシャーは感じなかった。コーチに信頼されていたから、自信を持ってシュートを打てた」

 そう語ったジョーダンの決勝弾は、“ザ・ショット”として彼の伝説の第一章として刻まれることになった。

 もっとも、ジョーダンが在学中の3年間でトーナメントを制したのはこの年だけ。ウォージーがNBA入りした83年は3回戦でジョージア大に、ランキング1位で臨んだ84年も3回戦でインディアナ大に敗れた。

 スミスの勧めでアーリーエントリーを宣言したジョーダンは、同年のドラフト3位でブルズに入団。その後の活躍ぶりは説明不要だろう。なお、直後の4位では1学年上のサム・パーキンスがダラス・マーベリックスに指名され、シュートの得意なビッグマンとして息の長いキャリアを送った。
 
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