その位置付けにおいては、欧州のプロクラブの中ではニコラ・ヨキッチ（デンバー・ナゲッツ）らを輩出したセルビアのメガ・バスケットに続く存在になっていて、2020年のドラフトではデトロイト・ピストンズから７位で指名されたキリアン・ヘイズ、昨年はニューヨーク・ニックスから25位指名された当時18歳のガード、パコム・ダディエを送り出している。

　フランスの大先輩ニコラ・バトゥーム（ロサンゼルス・クリッパーズ）の系譜を引くタイプと言われるエサングは、昨年ドバイで行なわれたユース版のユーロリーグ、ネクストジェネレーションで、ジャルギリスと対戦したファイナルで33得点、18リバウンド、６アシストの大活躍で勝利に貢献。ファイナルウィークMVPにも選出された。

　また、昨年10月に行なわれたNBAのプレシーズンマッチでポートランド・トレイルブレイザーズと対戦した試合では、チーム最年少ながら20得点、８リバウンドと、ともにチームハイの数字を叩き出した（試合は111－100でブレイザーズの勝利）。
  「僕の最大の強みはディフェンス。相手チームのポイントガードからセンターまで、いろいろなポジションの相手とマッチアップできる。改善したい点はドリブルとシュートの安定性。NBAでプレータイムを得るには、ディフェンスとキャッチ＆シュートの能力が不可欠だ。そのために去年からシュートの練習に励んでいて、徐々にその成果が出てきたよ」

　フランスの『レキップ』紙にそうコメントしているエサングは「プレータイムが得られて、なおかつ勝利を狙える球団」に行きたいと抱負を語っている。

　ユース時代から得点力を武器にしていた身長191cmのトラオレは、2024年３月にサン・カンタン・バスケットボールで17歳でプロデビュー。年長の選手たちに混ざってすぐに２桁得点を叩き出し、プロ契約からわずか２か月後の試合で25得点をマークして、フランスリーグにおける18歳以下の選手の歴代最多得点記録を塗り替えた。

　シーズンオフにはアメリカのカレッジからの誘いもあったが、フランス国内に残ってサン・カンタンでプレーを続けることを選択。18歳にして責任ある役割を担いつつ、平均11.6点、5.1アシストと奮闘した。