そんなスタークスに、ファンはほかの誰よりも大きな声援を送った。『ニューヨーク・タイムズ』紙は「観衆は彼に共感している。彼らの毎日もスタークスと同様で、一生懸命に働いても、良い日もあれば悪い日もあるからだ」と人気の理由を分析した。
看板選手のユーイングが、比較的おとなしく“機械的”と受け止められていたのに対し、スタークスは何をやらかすかわからないスリルを秘めていた。それも刺激を求めるニューヨーカーには合っていたのかもしれない。
実際、スタークスは感情のコントロールができず、しばしばトラブルの種になった。チームメイトのドック・リバース(現ロサンゼルス・クリッパーズHC)が「前よりマシにはなったけど、まだ一線を踏み越えてしまうことがある」と語っていたように、ちょっとしたきっかけで頭に血が上り、周りが見えなくなってしまうのだ。
93年のプレーオフ1回戦ではインディアナ・ペイサーズのレジー・ミラーにヘッドバットを食らわせて退場処分。前年のシカゴ・ブルズ戦でも、スコッティ・ピッペンにラリアットを見舞って5000ドルの罰金を科せられた。その度にユーイングやチャールズ・オークリーらに叱責され、スタークスは虚ろな表情で身を縮めるのだが、そんな欠点も含めて、ニューヨーカーはスタークスを愛していたのだ。(後編に続く)
文●出野哲也
※『ダンクシュート』2013年2月号掲載原稿に加筆・修正
看板選手のユーイングが、比較的おとなしく“機械的”と受け止められていたのに対し、スタークスは何をやらかすかわからないスリルを秘めていた。それも刺激を求めるニューヨーカーには合っていたのかもしれない。
実際、スタークスは感情のコントロールができず、しばしばトラブルの種になった。チームメイトのドック・リバース(現ロサンゼルス・クリッパーズHC)が「前よりマシにはなったけど、まだ一線を踏み越えてしまうことがある」と語っていたように、ちょっとしたきっかけで頭に血が上り、周りが見えなくなってしまうのだ。
93年のプレーオフ1回戦ではインディアナ・ペイサーズのレジー・ミラーにヘッドバットを食らわせて退場処分。前年のシカゴ・ブルズ戦でも、スコッティ・ピッペンにラリアットを見舞って5000ドルの罰金を科せられた。その度にユーイングやチャールズ・オークリーらに叱責され、スタークスは虚ろな表情で身を縮めるのだが、そんな欠点も含めて、ニューヨーカーはスタークスを愛していたのだ。(後編に続く)
文●出野哲也
※『ダンクシュート』2013年2月号掲載原稿に加筆・修正
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