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NBA

「たいていは“何か”があってからその重要さに気づく」“鉄人”ルイス・スコラが長くプレーするために心がけていること

小川由紀子

2020.05.08

ミラノでプレーする今季はチーム3位の平均9.2点を奪取。徹底した体調管理の下、第一線で活躍を続けている。(C)Getty Images

ミラノでプレーする今季はチーム3位の平均9.2点を奪取。徹底した体調管理の下、第一線で活躍を続けている。(C)Getty Images

 しかし当の本人は、「何も特別な訓練をしたわけじゃない。キャリアを通じてずっとやってきたことをしたまでさ」と、平然と語っていた。

「それぞれの大会に応じて、違った練習内容、アプローチの仕方をすることはある。年齢も含めて、その時の状況に対応する必要があるからね。だけど根本的な部分はこれまでとまったく変わっていない。ケガをしないよう体調管理に気をつけて、よく眠り、きちんとした食事をとり、しっかりトレーニングをするだけだ」。そして「まぁ39歳ということで、ことさら取り上げられるんだろうけどね(笑)」と自虐気味に語って笑いをとった。

「若い頃は、外出が続いたり、睡眠不足で食生活が乱れたり、トレーニングが不十分だったりしても、それほど影響はない。身体はいつも通りに反応してくれる。しかし年を重ねれば重ねるほど、そういった不摂生が顕著に体調に現われるようになる。そこで大切なのは、日頃から正しい習慣を身につけておくことだ。

 たいていは、ケガをしたり、不調なシーズンがあったりといった“何か”があってからその重要さに気づく。でもそれから始めたのでは遅いんだ。だから、そうなる前に、正しい体調管理を習慣化しておくことがとても大切だ。そうすれば、キャリアは5年、6年、7年と伸ばすことができる。なにも私だけじゃない。ヴィンス・カーター(43歳/NBA現役最高齢)のような選手だってきっと同じことをしているはずだよ」
 
 13年ぶりに復帰したユーロリーグでは、新型コロナウイルスの影響で中断するまで、28試合中4試合を除く全試合で先発出場。チーム3位の平均9.2点、4.4リバウンドと、衰えを感じさせない数字をマークしている。シーズンが再開されるかは5月24日までに最終決定されることになっているが、ミラノはプレーオフの残り3枠を争う団子状態の中におり、再開後も気が抜けない戦いが続くだろう。

 そして1年延期となった東京五輪が開催される来年の7月、スコラは41歳になっている。

「40歳の選手にとって、1年の重みは大きい。プレーできる可能性は減るだろう。しかしもし可能なら、私は出場する。実現できたら素晴らしいね」

 2006年、日本で開催された世界選手権(現W杯)の準決勝で、アルゼンチンはわずか1点差でスペインに敗れてメダルを逃した。スコラはきっと、可能な限り最高のコンディションを整えて、同じ舞台に舞い戻る気でいるはずだ。

文●小川由紀子

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