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NBA

NBA入りで「妹の親権」を勝ち取った男――トーマス・ロビンソンの波乱万丈キャリア

小川由紀子

2020.05.18

NBA6クラブ目のレイカーズでプレーした後に、欧州へと渡った。(C)Getty Images

NBA6クラブ目のレイカーズでプレーした後に、欧州へと渡った。(C)Getty Images

 そんな充実したシーズンの甲斐あって、シーズンオフにアトランタ・ホークスとの契約にこぎつけ、念願のNBA復帰を果たしたが、喜んだのもつかの間、開幕直前に解雇通告を受ける。

 その後は、NBA復帰を見据える選手たちにとっていまや定番コースともなっている中国リーグで実戦を重ね、オフにサマーリーグに参加しながらチャンスを探っていた。

 今シーズンは四川ブルーホエールズでプレーしていたところ、2月にヒムキから助っ人要請を受けて古巣に舞い戻った。偶然にも今シーズンのヒムキには、キングスでのルーキーイヤーに、喉元にエルボーが入って2試合の出場停止処分を受けることになった事件の相手、ヨナス・ジェレブコ(当時デトロイト・ピストンズ)がいて、因縁の相手との思わぬ再会も実現した。

「自分にはまだ、NBAのレベルでも、世界のどこででもプレーできるだけの力があると信じている」と語るロビンソンは、昨夏もラスベガスでのサンアントニオ・スパーズのサマーリーグに参加し、4試合で8.3点、6.8リバウンドと手応えは感じていた。
 
 サマーリーグは、主に若手選手のためのものと見る向きもあるが、「サマーリーグでプレーするのは、第一に、自分には“プライド”なんかはまったく関係ない、ということを見せるためだ。まだハイレベルで十分にやれるということを証明したい、その一心でこの年になってもサマーリーグに参加している。車輪が外れるまで、走り続けるつもりだよ」とロビンソンはひたむきに思いを語る。

 その一方で、キングス入団とともに手元に呼び寄せた妹ジェイナは高校生になり、ロビンソン自身も2児の父となったいま、現実的にはバスケットボール後の人生も考えている。

 カンザス時代からの盟友モリス兄弟とは、FOE(Family Over Everything 家族はなにものにも優る)という、実に彼ららしい名前のアパレルを立ち上げた。モリス兄弟の母エンジェルさんは、母親代わりとなって大学時代のロビンソンを親身に支えてくれた。モリス家は、ロビンソンにとって家族同然の存在だ。
 

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