ボウエンやＴ・アレンのように、エースキラーと呼ばれる選手のキャラクターはヒールであることが多いのだが、バティエはリーグのロールモデルとなり得るグッドガイだったという点も珍しい。「ミッキーマウスにあの手この手でしつこくディフェンスされるのをイメージできる？」というデューク大の先輩、グラント・ヒル（元デトロイト・ピストンズほか）のバティエ評も面白い表現だ。

　常にチームの３、４番手を買って出ていたようで、一緒にプレーしたパウ・ガソル（グリズリーズ時代）、トレイシー・マッグレディ（ヒューストン・ロケッツ時代）、ドゥエイン・ウェイド（ヒート時代）たちは口を揃えて「同じチームにいて、嫌な気持ちになることはない」と話している。
  　強豪チームを構築するためには、花形のスーパースターを獲得することが絶対の条件ではある。ただ、その脇を固めるエースキラーと呼ばれるような選手を確保することも、同じくらいに重要な案件だ。

文●北舘洋一郎

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