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NBA

主役級は不在も、名バイプレーヤーを数多く輩出した“脇役の豊作年”【NBAドラフト史|1988年】

大井成義

2020.07.21

2位指名のスミッツはペイサーズ一筋に12年間プレー。現役最終年の2000年には、ファイナルに出場した。(C)Getty Images

2位指名のスミッツはペイサーズ一筋に12年間プレー。現役最終年の2000年には、ファイナルに出場した。(C)Getty Images

 3位のシクサーズは、ピッツバーグ大4年のPF、チャールズ・スミスを指名。続いて4位のネッツはオーバーン大4年のSF、クリス・モリスを、5位のウォリアーズはカンザス州大4年のSG、リッチモンドを、そして6位の指名権も持つクリッパーズは、ブラッドリー大4年のSG、ハーシー・ホーキンスをそれぞれ指名した。

 カレッジ史上有数の点取り屋であるホーキンスは、4年時に平均36.3点という驚異的な数字をマークして得点王を獲得。カレッジ界での評価は高く、この年はマニングと並ぶ3つの主要個人アウォードを受賞している。

 順調に進行していたドラフトにどよめきが起こったのは、15位の指名選手が選ばれた直後だった。突如スターンからトレードが発表されたのだが、ドラフト日にありがちな新人選手同士の交換ではなく、そのなかになんと直近シーズンのリバウンド王、マイケル・ケイジの名前が含まれていたのである。近年で言えば、2016-17シーズンに飛躍を遂げて自身初となるリバウンド王を手にしたブレイザーズ(当時はヒート)のハッサン・ホワイトサイドが、タイトル獲得の2か月後にドラフト選手とのトレードで放出されるようなもの。会場に衝撃が走るのも無理はなかった。

 クリッパーズのケイジは、プロ4年目にしてリーグのトップリバウンダーへと成長し、卓越したディフェンス力を武器に絶賛売り出し中の若手選手。1年目と2年目の平均リバウンド数は5本台だったが、3年目に11.5本、4年目には13.0本まで記録を伸ばしてリバウンド王を獲得した。
 
 無限の可能性を秘めたケイジという金脈を掘り当てたクリッパーズに対し、多くのチームが羨望の眼差しを向けるなか、彼の獲得を熱望し、密かに水面下で動いていたチームがあった。ソニックス(現サンダー)である。そしてドラフト前夜、シクサーズを絡めたプランがまとまり、ギリギリで合意に達したのだった。

 詳細は次の通り。まずシクサーズが3位でスミスを指名。4、5位指名の後、6位のクリッパーズはホーキンスを、15位のソニックスはミシガン大4年のゲイリー・グラントを指名した。その直後、トレードの成立がリーグに報告される。ソニックスはケイジ獲得の見返りに、グラントと翌年の1巡目指名権をクリッパーズに譲渡。そしてクリッパーズとシクサーズとの間で、6位指名のホーキンス+翌年の1巡目指名権と3位指名のスミスとのトレードが敢行された。

 リバウンド王ケイジの奪取を目論んだソニックス、点取り屋ホーキンスと翌年の1巡目指名権を欲していたシクサーズ、マニングとスミスの大型デュオを手に入れたかったクリッパーズ、それら3チームの思惑が重なり、現役リバウンド王を絡めた移籍劇が見事完結したのだった。

 このトレードに対し、ケイジ本人は「非常に大きなショックを受けた」と語っている。またトレードが発表された瞬間、1000人以上のクリッパーズファンが詰めかけていたロサンゼルスのホームアリーナでは、大ブーイングが巻き起こったという。
 

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