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NBA

引退後もオールラウンダー⁉セカンドキャリアを謳歌する"万能戦士"ボリス・ディーオウの知られざるエピソード

小川由紀子

2020.07.27

 畑違いの分野では、フランス海軍にアンバサダー的な役割として参加しているほか、ワインの名産地ボルドーの出身ということもあって、ワイン学も勉強中だという。さらに手付かずの自然が残る場所を旅したり、現役中はできなかったダイビングやセーリングにも精を出す日々だ。

「バスケットボールでもいろいろなポジションでプレーするのが好きだったように、今も様々なことに興味があるんだ」と語るディーオウは、好きなことに挑戦できる現在の生活を思う存分楽しんでいる。

 それは単に引退後のリラックスタイムを謳歌しているだけでなく、知らない世界や人々に興味を抱くという、彼の本質を満たす活動でもある。
 
 思えば彼は、選手時代も一番オープンだった。フランス代表でも、パーカーなどは近寄りがたさがあったが、ディーオウはいつも笑顔で、気さくに取材に応じてくれたものだ。

 そんな彼だから、チームメイトの間でも人気者だったようで、スパーズ時代はマヌ・ジノビリ(アルゼンチン)、ティアゴ・スプリッター(ブラジル)、パティ・ミルズ(オーストラリア)と国籍の違う4人で『ユナイテッド・ネーションズ』なるチームを結成し、遠征先での食べ歩きやサンアントニオの美味しいカフェ発掘など、女子的な活動に勤しんでいた、という面白いエピソードもある。(ちなみにレストラン探しのエキスパートはジノビリ、カフェにこだわりがあるのはミルズらしい)

 来年の東京オリンピック、ディーオウはフランス代表に帯同する。選手として来日した2006年の世界選手権でも、パーカーたちと一緒に浅草を散策していたが、好奇心旺盛な彼のことだから、きっと今回もあちこちに出没するだろう。気軽に声をかければ、彼はとびきりの笑顔で応えてくれるはずだ。

文●小川由紀子

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