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NBA

巡り合わせの妙により、わずか2週間で天国と地獄を味わった“ヨーロッパ現役最高シューター”マイク・ジェームズの物語

小川由紀子

2020.08.02

 これらの鬱憤を晴らすかのように、翌2018-19シーズンはアルマーニ・ミラノのエーススコアラーとしてユーロリーグ得点王に輝くと、今季はCSKAモスクワに迎えられ、平均21点を稼ぎ出すなど絶好調。シェーン・ラーキンも「自分と似ている。一番手強い相手」とライバル視している存在で、短い期間とはいえ世界最高峰リーグを経験したことにより、プレーにより自信がみなぎっているように感じる。

 サンズ在籍中のインタビューでジェームズは「自分の出身校からはあまり選手を輩出していなかったから、正直NBAに来ることは考えていなかった」と回顧。オファー自体はその前から何度もあったが、彼の心を動かすほどのものではなかった。

「でも今回は、その時が来たと感じたんだ。『もし今年来ていなかったら、一生来ないだろう』と感じていた。だから『このチャンスに賭けてみよう』と思ったんだ。たった1年で終わるかもしれないけれど、上手くいかなければまた海外に出ればいい。お金も稼げるしね!」

 実際に彼は、欧州のクラブからの高額オファーを蹴って、サンズとの2WAY契約を選んだとも報じられた。
 
 面白いのは、ジェームズがNBAのアリーナの雰囲気について「大人しくて拍子抜けした」との感想を漏らしていたことだ。パナシナイコスのサポーターは欧州No.1と言っていいほど熱狂的で、OAKAアリーナの雰囲気は狂気を感じるほどだから、それに比べたらNBAのアリーナは静かだったらしい。

 ギリシャでは大スターだが「アメリカじゃ誰も自分を知らないから、普通に道を歩けるし、落ち着いて暮らせる」と話したジェームズ。NBAプレーヤーになってからの方が無名の存在になるというのも、妙な逆転現象である。

 今年6月には、CSKAと3年の延長契約を締結。彼らとともに欧州の頂点に立つのが、今のジェームズの目標だ。

 ちなみについ先日、カナーンが同じロシアのUNICSカザンと契約。結果的に彼を押し出すことになった因縁の元チームメイトと、来季は敵として対戦することになる。
 

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