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NBA

【プレーオフ激闘録】シャック&ペニーを擁し、王国建設を夢見たマジックの“歓喜”と“悲劇”|前編

大井成義

2020.08.24

1995年は、カンファレンス準決勝で長年リーグの頂点に君臨していたジョーダンを撃破。マジック時代到来を予感させたが…。(C)Getty Images

1995年は、カンファレンス準決勝で長年リーグの頂点に君臨していたジョーダンを撃破。マジック時代到来を予感させたが…。(C)Getty Images

 NBAのコートに舞い戻ってきた神様vsシャック&ペニーの新時代デュオ。話題性抜群の対戦に全米が注目するなか、初戦から衝撃のドラマが生まれる。マジック1点ビハインドで試合時間残り12秒、ボールを手にするのはジョーダン。その時ジョーダンの背後からアンダーソンが値千金のスティールを決める。ボールを拾ったペニーがグラントにパスを出し、そのままダンクを決め、勝負あり。チームに1勝目をもたらすどころか、シリーズ全体の流れを引き寄せるビッグプレーだった。
 
 試合後アンダーソンは、「彼は以前のジョーダンじゃなかった」とコメントし、それを聞いたジョーダンが、第2戦に罰金覚悟で背番号45を以前の23に戻すという有名な逸話を残している。シリーズはその後もつれるものの、初戦で流れを掴んだマジックが常に先手を取り、4勝2敗で元王者を退ける。ジョーダンはブルズ時代に2度の3連覇を達成しているが、その間の7シーズンで唯一のプレーオフ敗退である。

 続くカンファレンス決勝では、難敵ペイサーズに苦戦を強いられるも、最終第7戦で粘る相手を振り切る。創設わずか6年目にして、ついにマジックはファイナル進出を決めたのだった。(後編に続く)

文●大井成義

※『ダンクシュート』2020年6月号掲載原稿に加筆・修正。

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