■1年生エースのカーメロが2003年にチームを初優勝に導く
96年のトーナメントでも決勝に進み、ジョン・ウォーレスが29得点と奮闘したが、アントワン・ウォーカーら9人のNBA予備軍を擁していたケンタッキー大に敗れた。この年のロースターには、のちにNFLのスター選手になったドノバン・マクナブも名を連ねている。
2003年、シラキュース大はスーパー1年生カーメロ・アンソニーがエースを務め、念願のトーナメント制覇を果たす。平均22.2点、10.0リバウンドを記録したカーメロは、トーナメントでも大会最優秀選手に選ばれる活躍。準決勝で1年生の大会最多記録となる33得点、決勝のカンザス大戦では20得点、10リバウンド、7アシスト。最後はハキム・ウォーリックが相手のシュートをブロックして、優勝が決まった。
「本当は学校に残りたかった。でもベーハイムに呼ばれて、もうお前はいいって言われたのさ」(カーメロ)
結局カーメロは1年で大学を去り、03年のドラフト3位でデンバー・ナゲッツに入団。ニューヨーク・ニックス移籍後の13年に得点王に輝き、オールスター選出10回、リオ五輪を含め4回オリンピック代表に選ばれるなど、NBAの看板選手の1人になっている。
カーメロの1学年上だったウォーリックは、8年間NBAで過ごしたのち世界各国でプレー。ジョニー・フリンは09年のドラフト6位でミネソタ・ティンバーウルブズに指名されるも、わずか3年でリーグを去った。その直後の7位でゴールデンステイト・ウォリアーズに入団したのが、同じPGのステフィン・カリーだった。
ウルブズは1年後も4位でウェスリー・ジョンソンを指名したが、同じSFではゴードン・ヘイワードやポール・ジョージが残っており、2年連続でシラキュース出身者を選んで失敗している。ディオン・ウェイターズ(12年/クリーブランド・キャバリアーズ4位)も含め、近年のシラキュース大出身のドラフト上位は期待外れが多く、13年にシクサーズに入団して新人王に選ばれたマイケル・カーター・ウィリアムズも、2年目以降は尻すぼみになっている。
13年はそのカーター・ウィリアムズが主砲として活躍し、10年ぶりのファイナル4へ進出。13-14シーズンからはカンファレンスがアトランティックコーストに変わり、前評判は低かった16年もマラカイ・リチャードソンらが中心となって、通算6度目のファイナル4へ駒を進めた。
44年間にわたってベーハイムが積み重ねてきた公式戦勝利数は通算1065。“コーチK”ことマイク・シャシェフスキー(デューク大)に次いで史上2位の偉大な記録であり、一旦は勇退を宣言したが撤回。75歳の現在も元気に指揮を執り続けている。
文●出野哲也
※『ダンクシュート』2016年12月号掲載原稿に加筆・修正。
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96年のトーナメントでも決勝に進み、ジョン・ウォーレスが29得点と奮闘したが、アントワン・ウォーカーら9人のNBA予備軍を擁していたケンタッキー大に敗れた。この年のロースターには、のちにNFLのスター選手になったドノバン・マクナブも名を連ねている。
2003年、シラキュース大はスーパー1年生カーメロ・アンソニーがエースを務め、念願のトーナメント制覇を果たす。平均22.2点、10.0リバウンドを記録したカーメロは、トーナメントでも大会最優秀選手に選ばれる活躍。準決勝で1年生の大会最多記録となる33得点、決勝のカンザス大戦では20得点、10リバウンド、7アシスト。最後はハキム・ウォーリックが相手のシュートをブロックして、優勝が決まった。
「本当は学校に残りたかった。でもベーハイムに呼ばれて、もうお前はいいって言われたのさ」(カーメロ)
結局カーメロは1年で大学を去り、03年のドラフト3位でデンバー・ナゲッツに入団。ニューヨーク・ニックス移籍後の13年に得点王に輝き、オールスター選出10回、リオ五輪を含め4回オリンピック代表に選ばれるなど、NBAの看板選手の1人になっている。
カーメロの1学年上だったウォーリックは、8年間NBAで過ごしたのち世界各国でプレー。ジョニー・フリンは09年のドラフト6位でミネソタ・ティンバーウルブズに指名されるも、わずか3年でリーグを去った。その直後の7位でゴールデンステイト・ウォリアーズに入団したのが、同じPGのステフィン・カリーだった。
ウルブズは1年後も4位でウェスリー・ジョンソンを指名したが、同じSFではゴードン・ヘイワードやポール・ジョージが残っており、2年連続でシラキュース出身者を選んで失敗している。ディオン・ウェイターズ(12年/クリーブランド・キャバリアーズ4位)も含め、近年のシラキュース大出身のドラフト上位は期待外れが多く、13年にシクサーズに入団して新人王に選ばれたマイケル・カーター・ウィリアムズも、2年目以降は尻すぼみになっている。
13年はそのカーター・ウィリアムズが主砲として活躍し、10年ぶりのファイナル4へ進出。13-14シーズンからはカンファレンスがアトランティックコーストに変わり、前評判は低かった16年もマラカイ・リチャードソンらが中心となって、通算6度目のファイナル4へ駒を進めた。
44年間にわたってベーハイムが積み重ねてきた公式戦勝利数は通算1065。“コーチK”ことマイク・シャシェフスキー(デューク大)に次いで史上2位の偉大な記録であり、一旦は勇退を宣言したが撤回。75歳の現在も元気に指揮を執り続けている。
文●出野哲也
※『ダンクシュート』2016年12月号掲載原稿に加筆・修正。
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