八村は１日に行なわれた会見で、ディフェンスについてトレーナーと交わしたやり取りを明かした。本人も自覚しているように、個人としては昨季からオフにかけて練習を重ねており、１年の経験を積んだ今季はより向上が期待できる。

　ただ、トランジションやペイントエリアにおけるディフェンスはチームとして強化していくことが必須。「チームとしてももっとコミュニケーションを取らなきゃいけないと思うので、そこはキャンプが始まって、試合をやっていくなかで生かしていきたい」という八村の言葉通り、チーム全体で向上していかなければならない。

　そこで鍵となるのが、ウエストブルックがチームにもたらす影響力だろう。「彼の持つ気力と勝利への執念は本当に唯一無二なんだ」とブルックスＨＣが話していたように、稀代の万能型ＰＧは勝利への飽くなき執念と一切の妥協を許さないハードなプレーが身上で、ウィザーズでもコート内外で強烈な存在感を放つことが期待される。
  　ウォール不在だった昨季、試合中にブライアントが咆哮し、ビールがチームメイトたちへ奮起を促すシーンこそあったものの、試合全体を通してヴォーカルリーダー兼モチベーターが不足していた印象は否めなかった。そこにウエストブルックのような選手が加わったことはプラスに転じるのではないだろうか。

　八村をはじめとする若手選手たちの良き兄貴分となり、勝利にフォーカスさせるリーダー役をウエストブルックが担うことで、チームはオフェンス偏重のスタイルから脱皮する。その先には、３年ぶりのプレーオフの舞台が待っているに違いない。

文●秋山裕之（フリーライター）

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