2004年のデトロイト・ピストンズとのファイナルで一方的に敗れると、レイカーズのフロントはコビーと再契約を結び、彼の望み通りシャックをヒートへ追いやった。その結果がどうだったかは知っての通りである。
コビーだけでなく、ペニーとシャックとの仲もなかなか修復は進まなかった。ヒート時代にもシャックは「コビーは若手の頃、ペニーに冷たくされたので、今でもペニーを恨んでいる」などと発言。「僕はコビーに対して悪意なんて持ったことはない。シャックは気が狂っている」とペニーを激怒させる一幕があった。
しかし、シャックの選手としての価値を、他の誰よりも骨身にしみて知っているのはペニーなのだ。
「彼がマジックに残っていたら、僕のキャリアは今とはだいぶ違っていただろう。僕もマジックを出て行くことはなかったかもしれないし、2回くらいは優勝できただろう。シャックとうまくやっていくのは難しいけれど、不快な思いを我慢するだけの価値があるんだ」
シャックのトレードは、レイカーズにとって必ずしも失敗ではなかった。年齢的にも、肉体的にもピークを過ぎていたシャックより、若いコビーを残したのは妥当な判断だった。コビー中心に作り替えたチームで、2009、10年に2連覇を果たしたのがその証拠である。
だが、ペニーにはそのチャンスは訪れなかった。2007-08シーズンにヒートで現役復帰、シャックと12年ぶりのタッグを組んだものの、16試合に出ただけで解雇された。失われたマジック=魔法は、二度と元には戻らなかったのである。
文●出野哲也
※『ダンクシュート』2005年7月号掲載原稿に加筆・修正。
【PHOTO】オラジュワン、ジョーダン、バークレー、ペニー……NBAの歴史を彩った偉大なレジェンド特集!
コビーだけでなく、ペニーとシャックとの仲もなかなか修復は進まなかった。ヒート時代にもシャックは「コビーは若手の頃、ペニーに冷たくされたので、今でもペニーを恨んでいる」などと発言。「僕はコビーに対して悪意なんて持ったことはない。シャックは気が狂っている」とペニーを激怒させる一幕があった。
しかし、シャックの選手としての価値を、他の誰よりも骨身にしみて知っているのはペニーなのだ。
「彼がマジックに残っていたら、僕のキャリアは今とはだいぶ違っていただろう。僕もマジックを出て行くことはなかったかもしれないし、2回くらいは優勝できただろう。シャックとうまくやっていくのは難しいけれど、不快な思いを我慢するだけの価値があるんだ」
シャックのトレードは、レイカーズにとって必ずしも失敗ではなかった。年齢的にも、肉体的にもピークを過ぎていたシャックより、若いコビーを残したのは妥当な判断だった。コビー中心に作り替えたチームで、2009、10年に2連覇を果たしたのがその証拠である。
だが、ペニーにはそのチャンスは訪れなかった。2007-08シーズンにヒートで現役復帰、シャックと12年ぶりのタッグを組んだものの、16試合に出ただけで解雇された。失われたマジック=魔法は、二度と元には戻らなかったのである。
文●出野哲也
※『ダンクシュート』2005年7月号掲載原稿に加筆・修正。
【PHOTO】オラジュワン、ジョーダン、バークレー、ペニー……NBAの歴史を彩った偉大なレジェンド特集!