専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

シャックとペニーはどこで道を違えたのか…史上最強に“なり損ねた”2人のキャリアは正反対に【NBAデュオ列伝|後編】〈DUNKSHOOT〉

出野哲也

2021.02.19

 2004年のデトロイト・ピストンズとのファイナルで一方的に敗れると、レイカーズのフロントはコビーと再契約を結び、彼の望み通りシャックをヒートへ追いやった。その結果がどうだったかは知っての通りである。

 コビーだけでなく、ペニーとシャックとの仲もなかなか修復は進まなかった。ヒート時代にもシャックは「コビーは若手の頃、ペニーに冷たくされたので、今でもペニーを恨んでいる」などと発言。「僕はコビーに対して悪意なんて持ったことはない。シャックは気が狂っている」とペニーを激怒させる一幕があった。

 しかし、シャックの選手としての価値を、他の誰よりも骨身にしみて知っているのはペニーなのだ。
 
「彼がマジックに残っていたら、僕のキャリアは今とはだいぶ違っていただろう。僕もマジックを出て行くことはなかったかもしれないし、2回くらいは優勝できただろう。シャックとうまくやっていくのは難しいけれど、不快な思いを我慢するだけの価値があるんだ」

 シャックのトレードは、レイカーズにとって必ずしも失敗ではなかった。年齢的にも、肉体的にもピークを過ぎていたシャックより、若いコビーを残したのは妥当な判断だった。コビー中心に作り替えたチームで、2009、10年に2連覇を果たしたのがその証拠である。

 だが、ペニーにはそのチャンスは訪れなかった。2007-08シーズンにヒートで現役復帰、シャックと12年ぶりのタッグを組んだものの、16試合に出ただけで解雇された。失われたマジック=魔法は、二度と元には戻らなかったのである。

文●出野哲也

※『ダンクシュート』2005年7月号掲載原稿に加筆・修正。

【PHOTO】オラジュワン、ジョーダン、バークレー、ペニー……NBAの歴史を彩った偉大なレジェンド特集!
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号