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NBA

2022年のユーロバスケットに出場する全24か国が決定!予選で採用された新システムの“メリット・デメリット”とは?〈DUNKSHOOT〉

小川由紀子

2021.03.07

 そうした国は一発屋で終わる場合もあるが、例えば2011年のリトアニア大会に8大会ぶりに出場したフィンランドなどは、大挙して乗り込んでくるサポーターがとにかく陽気で、カメラマンにとっては盛り上がった“良い絵”が撮れる格好の被写体に。主催者側も「フィンランドがいると会場の雰囲気が良くなるから、同組になって地元に呼びたい」と熱望する存在になった。

 そうして2014年のワールドカップではワイルドカードをゲットし、同国史上初の出場を実現。2017年のユーロバスケットではホスト国のひとつに選ばれ、NBA入りが決まったばかりのラウリー・マルッカネン(シカゴ・ブルズ)が平均19.5点、5.7リバウンドをマークする活躍で自国での大会を盛り上げた。今回も予選を通過し、ユーロバスケットの常連国になりつつある。

 前述のイギリスにしても、NBA組のいない2軍とはいえ、公式戦で強豪国フランスを破ったというのは、政府がバスケットボールへの助成金を出し渋る状況のなか(とりわけイギリスの場合、『グレートブリテン』として参戦しているがゆえの複雑な事情もある)、将来の補強につながる大きな実績になった。また、NBAやユーロリーグ所属の選手たちが参戦できないことは、国内組や若手選手たちに代表入りのチャンスが広がる好材料にもなる。
 
 例えばニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)不在のセルビア代表では、八村塁とゴンザガ大で1年だけチームメイトだった2000年生まれのセンター、フィリップ・ペトルセフがチームハイの平均24.5点、 7.0リバウンドを叩き出しチームを牽引。セルビア代表の層の厚さを垣間見せた。ペトルセフは2020年のドラフト参戦を表明していたが、アドリアリーグ所属のメガ・サッカーベット入団を選択。プロ入り初年度にして、現在は同リーグの得点ランキング首位に立っている将来有望株だ。

 ただ、逆に予選を戦い抜いた選手たち、つまり“本戦行きを勝ち取った張本人たち”が本戦のロースターには選ばれない事態も十分に起こりうる。2019年のワールドカップの際にも、それは各国で見られた。
 
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