専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

八村塁やストックトンからの学びを胸に。初の全米制覇を目指すゴンザガ大、ジョエル・アヤイの成長記〈DUNKSHOOT〉

小川由紀子

2021.03.20

 3年生となった今季は、平均11.8点、7.0リバウンド、3.0アシストと数字を伸ばし、1月9日のポートランド大戦では同校初のトリプルダブル(12得点、13リバウンド、14アシスト)も記録。入学時から体重も15kg近く増量して、現在は身長196cm、82kgとフィジカル面もアップした。スローすぎると言われていたスピードも、コーチ陣から「今のチームで一番クイックネスがある。それだけでなくスピードの生かし方が上手い」と評価されるまでに向上している。

「だんだんとコーチやチームメイトたちの信頼を勝ち得ているのを実感している。日々のトレーニングで、僕が上を目指して頑張る姿を評価してくれているように思う」と話すアヤイ。「ここでは忖度はない。チームの勝利の助けになると判断されればコートに呼ばれる」と、頼もしい上級生に成長した。
 
 昨年はNBAドラフトにエントリーしたが、指名される可能性が低いと悟って撤回。しかしそのおかげで複数のチームと面談する機会があり、自身の強みと弱み、今後の課題などを指摘されたことで、「NBAでプレーするにあたり自分に必要なものを炙り出すことができた」と前向きだ。

 彼自身は、自分の強みは「コーチが求めるスタイルに順応して、期待通りに機能させられること」だと分析する。コートの上では自発的に声を出し、率先してゲームメイクをし、必要な時に得点を奪う。そんな選手になれるよう努力しているのだそうだ。

 今季の『Zags』は、初日から目標を「優勝」に設定して日々取り組んできたという。“マーチマッドネス”に照準を合わせていた彼らにとって、レギュラーシーズン全勝は“過程”にすぎず、これからが真の戦いだ。気を抜くことなく一戦一戦に挑むと意気込みを語るアヤイは、敬愛する八村やティリーら先輩たちのためにも、ゴンザガ大に初のタイトルをもたらしたいと切望していることだろう。そんな彼の勇姿を、4月5日の決勝戦で見られるだろうか。

文●小川由紀子

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号