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NBA

【NBA秘話】“幻”に終わったジョーダンvsマジックの1オン1対決。歴史的ビッグイベントが中止になった理由とは…〈DUNKSHOOT〉

大井成義

2021.03.19

1990年、ジョーダン(左)vsマジック(右)という、当時のリーグを代表するスーパースターが1オン1で直接対決する驚愕のイベントが計画されたが、幻に終わった。(C) Getty Images

1990年、ジョーダン(左)vsマジック(右)という、当時のリーグを代表するスーパースターが1オン1で直接対決する驚愕のイベントが計画されたが、幻に終わった。(C) Getty Images

 NBAを代表するスーパースターが、本気モードの1オン1で戦ったら……。ファンであれば、誰もが想像したことがあるテーマだろう。現役の大物スターが直接対決するそんなイベントが、1990年代に2度計画されたことがあった。そのうちのひとつは、なんとマイケル・ジョーダンvsマジック・ジョンソンという超豪華な顔合わせ。しかし、様々な理由でこの対決は実現しなかった。幻に終わった“歴史的ビッグイベント”の舞台裏に迫る。

■1990年代に実現寸前までこぎつけたスーパースターによる直接対決

 以前、アメリカ代表の選手たちが真剣に1オン1で競い合っている動画を『YouTube』で偶然見て、そのあまりの凄まじさに目が点になったことがある。NBAは世界で最もバスケットボールが上手い男たちの集団なわけだから、凄くて当然なのだが、テレビで試合だけを観ていると、そういった感覚が薄れてしまう。とにかく、異次元の上手さなのだ。

 参加していたのは、ケビン・デュラント、ポール・ジョージ、デビン・ブッカー、ヴィクター・オラティボ、マイルズ・ターナーといった面々。2019年夏に中国で開催されるワールドカップに備え、その1年前のオフに行なわれたラスベガスでのトレーニンキャンプの練習後に、本気モードでの1オン1が始まったのだった。
 
 これが本当に凄い。世界最高レベルの1オン1だろう。もちろん審判などおらず、身体をぶつけ合い、相手を手で抑え、時にはもろに掴むストリートスタイルでのプレーだが、少々のファウルなどお構いなしに、鬼のようなシュートをいとも簡単に決めてみせる。惚れ惚れする動きとシュートの上手さだ。動画の説明文によると、ドリブルは2回まで。ルールはそれだけ。

 その日の激しい1オン1バトルで、圧倒的な存在感を見せつけていたのがデュラントだった。さすが、あのコビー・ブライアントに“最も手強い1オン1プレーヤー”と言わしめただけのことはある。

 NBAのチームメイト同士が、練習後などにリラックスモードの1オン1をプレーすることはたまにあるようだが、その様子を一般のファンが目にすることはない。もしトップ選手同士による本気の1オン1が見られるなら、ぜひとも見てみたい、そうNBAファンなら間違いなく思うはずだ。なかには、お金を払ってでも見たいと思う人もいるだろう。
 
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