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NBA

【八村塁2020-21シーズン総括】日本人初のプレーオフ出場。「大きな一歩」となったNBA2年目|後編<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2021.06.10

八村はプレーオフ全試合で2桁得点を記録。特に最後の2試合は20点超えの大活躍を見せた。(C)Getty Images

八村はプレーオフ全試合で2桁得点を記録。特に最後の2試合は20点超えの大活躍を見せた。(C)Getty Images

 プレーオフ1回戦、ウィザーズはイースト首位のシクサーズに対し、初戦で7点差の奮闘を見せるも勝利を掴めず、第2、3戦も落として3連敗。ホームの第4戦で意地の勝利をあげたが、1勝4敗で力負けを喫した。

 それでも、八村は全5試合で2桁得点をマークし、特に最後の2戦ではいずれも41分以上出場して20点超えと奮闘。唯一勝利した第4戦では20得点、13リバウンドのダブルダブルに加え、残り45.0秒には勝利を手繰り寄せる値千金の3ポイントを沈め、ホームのキャピタルワン・アリーナへ駆け付けた1万665人の観客を沸かせた。ゲーム終盤で輝きを放ち、日本人としてプレーオフ初勝利を手にしたのである。

 八村は初のプレーオフでシリーズ平均14.8点、7.2リバウンド、1.0アシストにフィールドゴール成功率61.7%、3ポイント成功率60.0%と、上々の成績を残して2年目を終えた。最後の2戦について「プレーオフの時に出場時間が増えることは信頼されている証だと思います。いい経験になりましたし、バスケ人生において大きな一歩でした」と話しており、確かな手応えを掴んだようだ。
 
 今夏には東京オリンピックで日本バスケットボール界を牽引するという大役が待っている。さらなる成長が期待される23歳は、「ずっと小さい頃から大きな舞台で活躍してきたので、こういうトップレベルの大きい舞台でも活躍できる選手になっていきたいなと思います」と、今後に向けての野望を語った。

 NBAは新陳代謝が激しく、今年プレーオフに進出したチームが来年も出場できる保障はどこにもない。また、毎年のように大学や海外から魅力的な才能が入ってくるだけに、今後も生き残りをかけた競争が止まることはない。

 そうした厳しい環境のなかで、八村には自身が見据えるゴールを見失わずに、高いモチベーションを維持し、ひたむきに成長する姿を期待したい。

文●秋山裕之(フリーライター)

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