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NBA

“常識を超える”チェンバレンの豪快伝説――高校在学時に偽名を使い、プロ相手に平均54点【NBA秘話|前編】<DUNKSHOOT>

大井成義

2021.09.13

 チェンバレンが住むフィラデルフィアからピッツバーグまで、直線距離にして約400km(東京―大阪間と同距離)、クエーカータウンまでは60km(東京―熊谷)。第二次大戦後10年ほどしか経っていない古い時代、東京の高校や地域リーグにとてつもない選手がいたところで、大阪や熊谷にまでその存在が知れ渡っていたとは思えず、アメリカでも同様だったに違いない。

 それでも、当時の地方紙には、画質が粗いとはいえチェンバレン本人の顔写真やプレー写真が掲載され、なかには見出しにチェンバレンの本名が載っている紙面もある。どうやら、完璧に他人に成りすまそうとしていたわけではなさそうだ。地元から離れたよその地で、偽名を使い、プロのチームでプレーしているという情報が、何らかのルートで自分の地元や他の地域に伝播する可能性はゼロではなかったと思うのだが、子どもの頃から豪胆なチェンバレンは意に介さなかったのだろうか。それ以前に、なぜ一介の高校生がプロリーグでプレーできたのか。

『fansided.com』というサイトで、このエピソードを後追いで紹介しているジョシュア・サドロック氏は、次のような見解を示している。
 
 “チェンバレンはフィラデルフィアの学生であり、ペンシルバニア・アスレティック・ユニオン(ピッツバーグを管轄)の配下ではなかったため、高校生であってもプロでプレーすることができた。また1950年代は、地域によっては高校生もプロでプレーすることができるという曖昧なルールがあった。”

 1955年にチェンバレンがカンザス大に入学した際、アマチュア資格を保有しているのか、NCAAの関係者が調査に訪れたという。彼らは、チェンバレンがプロとして出場した試合のボックススコアの存在を知っており、そこにチェンバレンの本名が載っているにも関わらず、最終的に見て見ぬ振りをして不問に付したそうだ。

 また『THE SPORTS COLUMN』というサイトには、チェンバレンがカンザス大でプレーしている時、AAU(アマチュア運動連合)の関係者がチェンバレンのプロ経験の有無を調査するため、大学にやってきたと書いてある。AAUが、マーカスとチェンバレンが同一人物であるという情報をどこかで掴んだのだろう。
 
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