ところが、その100点試合を境に、チェンバレンはグラニーショットをほとんど打たなくなってしまう。リーグで最も多くファウルを受ける選手が、大きな得点源であるフリースローを捨てるという愚挙。チェンバレンはその理由を語らず、なぜそう決心したのかは誰にもわからなかった。後年、チェンバレンは自伝で次のように語っている。
「俺は愚かに感じたんだ。まるで臆病者のように(下から)打つことにね。俺が間違っていたことはわかっている。歴史上のベストのファウルシューターは、そうやって打っていた。今でもNBAのトップに立つリック・バリーは、下手投げでフリースローを打つ。俺には、ただできなかったんだ」
チェンバレンが見栄やプライドを捨て、グラニーショットを続けていれば、いったいどれだけの大記録を打ち立てることができただろうか。
100点試合で達成した1試合でのフリースロー成功数28本のNBA記録は、いまだに破られていない。
■疲労困憊のなか、残り時間46秒で史上最強の怪物が快挙を達成!
その日チェンバレンは、第1クォーター23点、第2クォーターに18点をあげ、ハーフタイムの時点で41点を獲得。第3クォーターに28点をマークし、計69点まで膨れ上がると、観客が徐々に沸き始めた。第4クォーターの出だしに3本続けてシュートを決めると、観客は一斉に「(ボールを)ウィルトに渡せ!」とチャントを叫び出す。そして、チームメイトたちはその声に従った。ポイントガードのガイ・ロジャースは、この日20本のアシストを記録している。
試合時間残り1分19秒の時点で98点。観客は足を踏み鳴らし、場内の興奮と歓声は最高潮に達する。ゴール下でチェンバレンがパスを受け、相手数人に囲まれながらシュートを放つもミス。自分でリバウンドをもぎ取り、再びシュートを打つも失敗。チェンバレンは疲弊しきっていた。
リバウンドを拾ったウォリアーズの選手がチームメイトにパスすると、彼はゴール下のチェンバレンめがけてロブを放った。チェンバレンはボールを両手でキャッチし、そのままダンク。100点! 誰も想像し得なかった記録が達成された瞬間だった。コートになだれ込む観客。時計の針は残り46秒を指していた。
「俺は愚かに感じたんだ。まるで臆病者のように(下から)打つことにね。俺が間違っていたことはわかっている。歴史上のベストのファウルシューターは、そうやって打っていた。今でもNBAのトップに立つリック・バリーは、下手投げでフリースローを打つ。俺には、ただできなかったんだ」
チェンバレンが見栄やプライドを捨て、グラニーショットを続けていれば、いったいどれだけの大記録を打ち立てることができただろうか。
100点試合で達成した1試合でのフリースロー成功数28本のNBA記録は、いまだに破られていない。
■疲労困憊のなか、残り時間46秒で史上最強の怪物が快挙を達成!
その日チェンバレンは、第1クォーター23点、第2クォーターに18点をあげ、ハーフタイムの時点で41点を獲得。第3クォーターに28点をマークし、計69点まで膨れ上がると、観客が徐々に沸き始めた。第4クォーターの出だしに3本続けてシュートを決めると、観客は一斉に「(ボールを)ウィルトに渡せ!」とチャントを叫び出す。そして、チームメイトたちはその声に従った。ポイントガードのガイ・ロジャースは、この日20本のアシストを記録している。
試合時間残り1分19秒の時点で98点。観客は足を踏み鳴らし、場内の興奮と歓声は最高潮に達する。ゴール下でチェンバレンがパスを受け、相手数人に囲まれながらシュートを放つもミス。自分でリバウンドをもぎ取り、再びシュートを打つも失敗。チェンバレンは疲弊しきっていた。
リバウンドを拾ったウォリアーズの選手がチームメイトにパスすると、彼はゴール下のチェンバレンめがけてロブを放った。チェンバレンはボールを両手でキャッチし、そのままダンク。100点! 誰も想像し得なかった記録が達成された瞬間だった。コートになだれ込む観客。時計の針は残り46秒を指していた。
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