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NBA

「彼にもこの場にいてほしかった」引退会見でガソルが涙を堪え語った、自身のキャリアと盟友コビーへの思い<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2021.10.11

 レイカーズはこの日、ガソルがつけていた背番号16を永久欠番にすることを発表。レイカーズでは11人目の欠番化であり、ヨーロッパ出身の選手としてはドラゼン・ペトロビッチ(ニュージャージー/現ブルックリン・ネッツ)、ペジャ・ストヤコビッチ(サクラメント・キングス)、ブラデ・ディバッツ(キングス)、トニー・パーカー(スパーズ)、ジードルナス・イルガスカス(クリーブランド・キャバリアーズ)、ダーク・ノビツキー(ダラス・マーベリックス)の6人しかいない栄誉だ。

 新人王獲得に始まった彼のNBAキャリアは、通算1226試合出場し平均17.0点、9.2リバウンドという数字を記録。2009、10年に2度の優勝を味わい、オールスターにも6回(2006、09~11、15、16)選出された。

 スペイン代表としては、世界選手権優勝(2006)、ユーロバスケットも3度制覇(2009、11、15)。オリンピックでアメリカとの決勝戦に打ち勝つことはできなかったが、2008年の北京と2012年のロンドンで銀メダルに輝き、2012年大会の開会式ではスペインの旗手も務めた。
 
 コート上では獅子のような激しい表情も見せたが、サイズやパワーだけに頼らない、洗練されたテクニカルなプレーが特徴だった。そしていったんコートを離れれば、ガソルは実にエレガントで上品な紳士だ。

『ダンクシュート』でその昔インタビューをお願いした時には、アメリカから、メールで応答してくれた。メールだと、本当に本人が答えてくれるのかと少々不安だったが、広報担当者が「パウにはその心配はいりませんよ。彼はしっかり答えますから」というのでお願いしたら、本当に、想像以上に丁寧な回答が返ってきてびっくりした。

 その少し後、代表戦でスペインに戻ってきた彼にインタビューのお礼を言うと、「こちらこそありがとう。ところで内容は大丈夫だった? 日本の読者のみんなが楽しんでくれると嬉しいよ」と、逆にお礼を返してくれるような丁寧な人だった。

 黄金時代のスペイン代表は、天才肌のナバーロ、ファンのお気に入りだったホセ・カルデロン(元トロント・ラプターズほか)、やんちゃなルディ・フェルナンデス(元ポートランド・トレイルブレザーズほか)、ワイルドな現スペインバスケ協会会長ホルヘ・ガルバホサ(元ラプターズ)と個性派揃いだったが、そんな彼らをまるごと包み込む包容力とリーダーシップでチームをまとめていたのが、パウだったのだ。
 
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