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NBA

親子二代で精巣がんを罹患した元琉球ゴールデンキングスのキム・ティリ。睾丸の切除にも「ふたつ目に頑張ってもらうさ」<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.04.03

 Bリーグでは39試合に出場し、約18分のプレータイムで平均6.2点、4.7リバウンド、1.6アシスト。チャンピオンシップにも6試合出場した。現在所属するショレでも、17分の出場時間で平均4.8点、3.4リバウンドと似たような数字を記録し、チームに安定と落ち着きを与えるベテランパワーフォワードとして重用されている。

 ちなみにチームメイトには、愛媛オレンジバイキングスや大阪エヴェッサ、佐賀ブルーナーズでもプレーしたアメリカ人フォワードのペリー・エリスもいる。

 フランスリーグのレギュラーシーズンは5月中旬まで続くが、キムの頭には、手術を終えて今季中にカムバックする構想も描かれているようだ。
 
「手術で問題を解決できたら、きっと何もかも忘れてしまうよ。睾丸がなくなるっていうけど、ふたつあるんだよね? ふたつ目に頑張ってもらうから何の問題もないさ」

 キムは勤勉さと気さくな人柄でもともと人気のある選手だが、今回こうして赤裸々に自分の経験をシェアした勇気や、楽観的で気丈な姿勢に、各界のアスリートやスポーツファンから熱い励ましの声が集まっている。

 手術の成功を祈りつつ、元気な姿でコートに復帰する日を楽しみに待ちたい。

文●小川由紀子

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