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NBA

“史上有数の外れドラ1”ブラウンを筆頭に、多くの高卒選手が上位指名された2001年【NBAドラフト史】

大井成義

2019.12.25

10位指名とドラフト時の評価は高くなかったジョー・ジョンソンだが、その後出世。同期トップの球宴出場7回を誇る。(C)Getty Images

10位指名とドラフト時の評価は高くなかったジョー・ジョンソンだが、その後出世。同期トップの球宴出場7回を誇る。(C)Getty Images

 1位指名が発表された直後、テレビ中継を行なっていたTNTは、当時同局でコメンテーターを努めていたジョージタウン大の元HC、ジョン・トンプソンとジョーダンのインタビューをワシントンから中継した。ジョーダンは興奮する様子もなく淡々と質問に答えていたが、言葉の端々にブラウンに対する自信が見え隠れしていた。

 番組ホストのTNTキャスター、アーニー・ジョンソンはブラウンのプレーについて、「ガーネットの運動能力、そしてクリス・ウェバーのローポストゲームと比類しうる」と描写している。


■ガソルとパーカーをはじめ外国人選手の指名も目立つ

 2位のクリッパーズがチャンドラーを指名すると、直後に大胆な移籍が発表される。ブルズが2年前にドラフト全体1位で獲得し、新人王にも輝いたチームのベストプレーヤー、エルトン・ブランドとチャンドラーをトレード。ブルズは元々持っていた4位の指名権でカリーを指名し、一挙に2人の新人ビッグマンを手に入れた。

 3位のホークスは、スペイン生まれのセンター/パワーフォワード、20歳のパウ・ガソルを指名。1998年に9位で指名されたドイツ出身のダーク・ノビツキーを抜き、アメリカでカレッジ経験のない外国人選手としては、史上最高位の指名順位だった(翌年ヤオ・ミンが1位指名)。だがそのガソルも、ホークスがグリズリーズとの間で進めていた、シャリーフ・アブドゥル・ラヒームを含む4選手が絡んだ大型トレードの一員となってしまう。
 
 6位のグリズリーズは、直前のNCAAトーナメントで優勝を飾り、大会MVPをはじめ多くの全米最優秀選手賞に輝いたデューク大4年のシェーン・バティエをピック。バティエとガソルの2人は、翌シーズンからメンフィスに本拠地を移転した新生グリズリーズの中心選手となり、ガソルは新人王に選ばれている。

 この年のドラフトでは、ガソルのほかにもアメリカのカレッジ未経験の外国人選手が6人指名された。出世頭は何といってもフランスのトニー・パーカー。28位でスパーズに入団し、常勝チームの司令塔として4度の優勝に貢献した。なお、アメリカのカレッジでプレー経験のない外国人選手の数が急増し始めたのもこの頃である。

 史上初の高校生ドラ1として大きな注目を集めたブラウンは、周囲からの過度の期待と、ドラフトの3か月後に現役復帰を表明し、突如チームメイトとなったジョーダンからの強烈なプレッシャーに気圧され伸び悩んだ。元々精神的にタフな選手ではなかったこともあり、最後まで期待に応えることはできず、4シーズンで移籍。その後6チームを渡り歩いた末、2013年にコートを去っている。
 

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