ボールを持つ選手は、味方へパスしたら必ず自分のマークマンを背にするような形でポジションを取り、ボールへミートしてノーマークを作る。バックドアの場合はディフェンスの裏をかいて走りこみ、ノーマークを作ってパスをもらう。これらの動きの繰り返しこそ明成高校の“ハビット”であり、チームの流れなのだろう。
比べてみれば、NBAでの八村のオフェンスも、多くの場面でディフェンスの裏をかく動きから得点することが多い。ディフェンスの死角へポジショニングし、そこからシュートを狙うパターンだ。まさに明成高校での環境と習慣が、今の八村にDNAとして刻み込まれていると考えて間違いないだろう。
また、佐藤コーチはバスケットボールをプレーする上で、これだけは絶対にやってはいけないプレー——あまり考えず不用意にパスを出し、相手に読まれてスティールされ失点をする、スペースを予測せずやや無謀と思えるシュートを狙いにいき、ターンオーバーを犯してしまう、など——を絶対に見逃さず、選手たちに指摘を繰り返す。こうして環境と習慣をコーチが妥協せずに作り上げているからこそ、選手は安易なミスをしないようになっていく。
NBAの舞台でも、八村が安易なミスをすることはほとんどない。オーバーワークとなるような攻めもしないし、そういう場面を予測しミスが起こりやすい状況の回避もできる。
八村のNBAでの活躍は素晴らしい。そして、この八村が通った道を、次の誰かにまた通ってほしい。これが日本のバスケットボール界に絶対に必要なことで、それにはNBAレベルに近い環境を日本の様々な場所に作っていかなければならない。そういう視点で八村の試合を観戦するのも、またひとつの見方ではないだろうか。
文●北舘洋一郎
比べてみれば、NBAでの八村のオフェンスも、多くの場面でディフェンスの裏をかく動きから得点することが多い。ディフェンスの死角へポジショニングし、そこからシュートを狙うパターンだ。まさに明成高校での環境と習慣が、今の八村にDNAとして刻み込まれていると考えて間違いないだろう。
また、佐藤コーチはバスケットボールをプレーする上で、これだけは絶対にやってはいけないプレー——あまり考えず不用意にパスを出し、相手に読まれてスティールされ失点をする、スペースを予測せずやや無謀と思えるシュートを狙いにいき、ターンオーバーを犯してしまう、など——を絶対に見逃さず、選手たちに指摘を繰り返す。こうして環境と習慣をコーチが妥協せずに作り上げているからこそ、選手は安易なミスをしないようになっていく。
NBAの舞台でも、八村が安易なミスをすることはほとんどない。オーバーワークとなるような攻めもしないし、そういう場面を予測しミスが起こりやすい状況の回避もできる。
八村のNBAでの活躍は素晴らしい。そして、この八村が通った道を、次の誰かにまた通ってほしい。これが日本のバスケットボール界に絶対に必要なことで、それにはNBAレベルに近い環境を日本の様々な場所に作っていかなければならない。そういう視点で八村の試合を観戦するのも、またひとつの見方ではないだろうか。
文●北舘洋一郎