専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

「最後まで名前は呼ばれなかった……」屈辱のドラフト漏れを経て、サンダーのドートがリーグ最高級のディフェンダーとなるまで<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2025.04.07

 フットワークといった改善点の集中トレーニングや、様々な映像のチェック、定期的に電話をくれたアシスタントコーチとは、リーグ内のいろいろな選手をランダムにピックアップしては彼らをスカウティングするといった“座学”で選手分析の知識を深めた。

 まさにこのタイミングで「自分はクレイジーなディフェンダーになって、相手にとって厄介な存在になれると気づいた」というドート。

「この時、自分がリーグでどのような選手になれるかを段階的に理解できたことで、バブルで再開された時には、目の前にいる相手が誰であろうと自分は彼らに全力で競り合い、食らいついてやると思えるようになった」と、2月に出演した『スポーツ・イラストレイテッド』のポッドキャストで振り返っている。

 3ポイントの成功率も年々向上し、今季は4割を超えて3&Dと名乗れる域に達している。アウトサイドシュートはカレッジ時代から課題にしていたことであり、何年も集中的にトレーニングを重ねてきたことが、ここ数年で数字に表われるようになってきたと、彼自身が同ポッドキャスト内で語っていた。
 
 そんな彼の働きは、ペイント内に切り込むギルジャス・アレキサンダーとも好相性だ。2人はカナダ代表でもチームメイトで、2023年のワールドカップ、そして昨年のパリ五輪でも共闘している。

 ドートにとっての最大の目標は「毎晩チームメイトのために全力を尽くすこと」だという。

 しかし同時に「コート上で一生懸命頑張った結果が報われるのは、いつだって嬉しい。最優秀守備選手賞や、オールディフェンシブ1stチームに選ばれるといったことがそれにあたるのかもしれない。自分が値するかと聞かれれば、毎晩全力を尽くしているから、イエスと答えるだろうね」と自分のプレーへの自信も口にする。

 ドラフト指名を逃す絶望を味わうも、リーグトップ球団の中心選手となったドート。昨季はカンファレンス準決勝でダラス・マーベリックスに敗れ、今季こそその先を目指すサンダーにとって、彼の尽力は計り知れない意味を持つ。

文●小川由紀子

【画像】NBA最強の選手は誰だ?識者8人が選んだ21世紀の「ベストプレーヤートップ10」を厳選ショットで紹介!
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号