ブラウンの後を継いだロイ・ウィリアムズは、就任1年目こそブラウン時代のリクルーティング・スキャンダルのためトーナメントに出られなかったが、2年目以降は毎年着実に成果を上げ続ける。彼の指導を受け、のちにNBAで大成功を収めた選手といえば、何と言ってもポール・ピアースだろう。98年にオールアメリカン1stチームに選出され、同年限りでカンザス大を去ったピアースは、ボストン・セルティックスで長くエースを務める。オールスターには10回選ばれ、08年にはファイナルMVPの栄誉を手にした。
グレッグ・オスタータグ、スコット・ポラード、リーフ・ラフレンツ、ドリュー・グッデン、ニック・コリソンら、脇役として重宝されたビッグマンが多いのも特徴で、ガードではカーク・ハインリック、日系選手のレックス・ウォルターズらが活躍した。
ウィリアムズの時代は公式戦で8割以上の勝率を誇り、94年からは4年越しでホーム62連勝の新記録も達成した。しかしながらトーナメントでは91、2003年の準優勝が最高。ランキング1位で臨んだ97年もスウィート16で敗退した。03年を最後に退任したウィリアムズは、その後ノースカロライナ大を3度の全米制覇に導いている。
03-04シーズンからはビル・セルフがコーチを受け継ぎ、現在も指揮を執り続けている。08年には20年ぶりのトーナメント制覇を達成。決勝のメンフィス大戦は残り2分で9点を追う展開ながら、マリオ・チャルマーズの3ポイントでオーバータイムに持ち込んでの劇的な逆転勝利だった。ブランドン・ラッシュ、ダレル・アーサーら後のNBA選手が複数在籍したこの年は、KUの長い歴史でも最高のチームと言われている。12年にもトーマス・ロビンソンらを擁して再び決勝進出を果たしたものの、ケンタッキー大に8点差で敗退した。
14年には、アンドリュー・ウィギンズがマニング以来の全体1位でクリーブランド・キャバリアーズに指名される。すぐにミネソタ・ティンバーウルブズへトレードされ、KU出身者では60年のチェンバレン以来、55年ぶり2人目となる新人王に選出された。14年にドラフト3位でフィラデルフィア・76ers入りしたジョエル・エンビードも、ケガで最初の2年を棒に振る前途多難な出だしだったが、無事にオールスターの常連へ成長した。
そのほか、マーカス(ニューヨーク・ニックス)とマーキーフ(デトロイト・ピストンズ)のモリス兄弟、ケリー・ウーブレイ(フェニックス・サンズ)ら、11名の元ジェイホークが現在NBAで活躍中。ジェイホークスも2月3日時点で19勝3敗、ランキング3位と好調で、12年ぶりのトーナメント制覇に向けて期待が高まっている。
文●出野哲也
※『ダンクシュート』2016年4月号掲載原稿に加筆・修正。
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グレッグ・オスタータグ、スコット・ポラード、リーフ・ラフレンツ、ドリュー・グッデン、ニック・コリソンら、脇役として重宝されたビッグマンが多いのも特徴で、ガードではカーク・ハインリック、日系選手のレックス・ウォルターズらが活躍した。
ウィリアムズの時代は公式戦で8割以上の勝率を誇り、94年からは4年越しでホーム62連勝の新記録も達成した。しかしながらトーナメントでは91、2003年の準優勝が最高。ランキング1位で臨んだ97年もスウィート16で敗退した。03年を最後に退任したウィリアムズは、その後ノースカロライナ大を3度の全米制覇に導いている。
03-04シーズンからはビル・セルフがコーチを受け継ぎ、現在も指揮を執り続けている。08年には20年ぶりのトーナメント制覇を達成。決勝のメンフィス大戦は残り2分で9点を追う展開ながら、マリオ・チャルマーズの3ポイントでオーバータイムに持ち込んでの劇的な逆転勝利だった。ブランドン・ラッシュ、ダレル・アーサーら後のNBA選手が複数在籍したこの年は、KUの長い歴史でも最高のチームと言われている。12年にもトーマス・ロビンソンらを擁して再び決勝進出を果たしたものの、ケンタッキー大に8点差で敗退した。
14年には、アンドリュー・ウィギンズがマニング以来の全体1位でクリーブランド・キャバリアーズに指名される。すぐにミネソタ・ティンバーウルブズへトレードされ、KU出身者では60年のチェンバレン以来、55年ぶり2人目となる新人王に選出された。14年にドラフト3位でフィラデルフィア・76ers入りしたジョエル・エンビードも、ケガで最初の2年を棒に振る前途多難な出だしだったが、無事にオールスターの常連へ成長した。
そのほか、マーカス(ニューヨーク・ニックス)とマーキーフ(デトロイト・ピストンズ)のモリス兄弟、ケリー・ウーブレイ(フェニックス・サンズ)ら、11名の元ジェイホークが現在NBAで活躍中。ジェイホークスも2月3日時点で19勝3敗、ランキング3位と好調で、12年ぶりのトーナメント制覇に向けて期待が高まっている。
文●出野哲也
※『ダンクシュート』2016年4月号掲載原稿に加筆・修正。
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