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【コビー・ブライアント物語・Part1前編】6歳でバスケと恋に落ちた少年は、高卒でのNBA入りを決意する

大井成義

2020.03.14

大学からの勧誘が殺到するなか、高卒でのNBA入りを決意する。(C)Getty Images

大学からの勧誘が殺到するなか、高卒でのNBA入りを決意する。(C)Getty Images

 2年の時に身長が195cmまで伸び、マジックのように5つのポジションすべてでプレーすることができるようになった。3年生の頃、フィラデルフィア・セブンティシクサーズのジョン・ルーカス・ヘッドコーチ(HC)はコビーをチームの練習に招き、ノースカロライナ大からドラフト3位で入団したばかりのジェリー・スタックハウスと1オン1をさせている。するとコビーは、未来のオールスターを打ち負かしてみせた。翌日、ジョーの元にノースカロライナ大の名将ディーン・スミスHCより、直々に勧誘の電話があったそうだ。

 迎えた最終学年の成績は、平均30.8点、12.0リバウンド、6.5アシスト、4.0スティール、3.8ブロック。27連勝を含む31勝3敗という好成績をマークし、チームを53年ぶりの州チャンピオンに導く。ネイスミスやゲータレードの全米最優秀選手賞も受賞した。全米から特に優れた高校生が集結するアディダスのABCDキャンプにも招待され、MVPを獲得している。
 
 大きな注目を集める存在となったコビーの元には、アメリカ中の大学から勧誘の手紙が舞い込んだ。高校時代の友人の証言によると、あまりの手紙の多さに、未開封のまま廊下で同級生たちに配っていたという。

 もし、大学に行くならデューク大が本命だったと長い間思われていたが、2013年に開催された公開トークイベントで、コビーはノースカロライナ大入りに気持ちが傾いていた時期があったと明かしている。理由は、その前年に入学した当時の全米No.1ガード、ヴィンス・カーター(アトランタ・ホークス)と競い合いたかったからだそうだ。

 ところが、コビーのプロ入りの意志が固いと思ったスミスHCは、勧誘を早々に止めてしまう。一方、デューク大HCのコーチK(マイク・シャシェフスキー)は最後まで諦めなかった。それゆえ、もし大学でプレーする道を選んでいたなら、デューク大に行っていただろう、そうコビーはTwitterでファンからの質問に答えている。

 その前年、20年ぶりに高校から直接NBA入りを果たし、大きな話題となったケビン・ガーネット(元ミネソタ・ティンバーウルブズほか)の活躍に刺激されたこともあり、最終的にプロ入りを決意する。3歳の頃に語った夢を実現させる時が、ついに訪れたのだった。(後編に続く)

文●大井成義

※『ダンクシュート』2020年4月号より転載。

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