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NBA

“カレッジ界のトップスター”に突き付けられた厳しい現実。欧州での挑戦を糧に、再度NBAのコートに立てるか?

小川由紀子

2020.03.18

昨夏にはパナシナイコスと契約。ここまで27試合に出場して平均12.9点をマークしている。(C)Getty Images

昨夏にはパナシナイコスと契約。ここまで27試合に出場して平均12.9点をマークしている。(C)Getty Images

「難しい決断だった。でもここ数年間、ずっと僕に興味を示してくれていた。ここでのプレーは初めてで予想がつかないが、チームを助ける働きをしたい」

 生まれて初めてアテネの地を踏んだジマーは、そう抱負を語った。

 5年前からジマーの獲得を狙っていたというディミトリオス・ジャンナコポウロス会長にとっては念願叶っての契約だった。

 チームの中核は、ヨーロッパ屈指のポイントガード、ギリシャ代表のニック・カラテス。ジマーは、カラテスの巧みなパスをバスケットに収められる相棒として抜擢された。またパナシナイコスは、ロースターの3分の1をアメリカ人選手が占め、NBAで1年先輩のフォワード、ウェスリー・ジョンソンも在籍している。

 新天地でさっそくスターターに定着したジマーは、まだゲームスタイルに慣れないぎこちなさは見られるものの、コンスタントに2桁得点をあげ、初参戦のユーロリーグでも、ここまで27試合に出場して平均12.9点をマークしている。彼の活躍もあってパナシナイコスは国内リーグでは首位をキープ、ユーロリーグでもプレーオフ進出をほぼ確定と好調だ。
 
 ジマーをバスケットボールに導いたメンターである兄は、彼のギリシャリーグ参戦を密かに歓迎しているという。

「口には出さないけれど、兄はここでの経験が、僕にとって大きなプラスになると思っているみたいだ」

 パナシナイコスのサポーターは、ときに過激なほど熱いことで知られる。その分プレッシャーも尋常ではない。その中で欧州の猛者たちと対戦すれば、メンタル的にも相当鍛えられるのは間違いない。

 18節のアルマーニ・ミラノ戦では、試合には敗れたがジマーはシーズンハイの28得点をマーク。最終クォーターの終盤、ファウルを受けながら厳しい体勢でスリーポイントを沈め、4点プレーをやってのけた姿はまるで、同じ背番号「32」でシュートを決めまくっていたカレッジ時代の彼だった。

『NBAにいないことが不思議な選手ランキング』では、常に彼の名前が挙がる。そして彼自身も、「NBAに復帰する」という確固たる思いを胸に、ヨーロッパで戦っている。

「自分の持ち味をもっとも生かせるのは、ジャマール・クロフォードのような、シックスマン」だと語る彼が、欧州での挑戦を糧に、再度NBAのコートを踏むことになるのか。

 ジマー・フレデッテの挑戦は、まだまだ続く。

文●小川由紀子
 
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