専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

リオ開幕前の評価は“よくてB+”。五輪3連覇のアメリカ代表、“トップ選手不参加”の悪しき風習は東京で再燃するか?

出野哲也

2020.08.31

 3位決定戦はスペインが1点差でオーストラリアに辛勝し、何とか3大会連続のメダルを死守。そしてアメリカは決勝で再びセルビアと相見えたが、予選ラウンドでの苦戦が嘘のような強さを見せた。

 デュラントが第2クォーターに4本の3ポイントを含む18得点の集中砲火を浴びせ、このクォーターのセルビアの得点(14点)を1人で上回ると、デマーカズ・カズンズ(当時キングス)も前半だけで11得点、12リバウンドとインサイドを支配。96-66の30点差で完勝した。決勝戦でこれだけの点差がついたのは、1992年に初代ドリームチームがクロアチアを32点差で下して以来のことだった。
 
 大会前にサンダーからウォリアーズへの移籍を発表し、賛否を呼んでいたデュラントはチームトップの平均19.4点、3ポイント成功率は驚異の58.1%を記録。エースとしての期待に応え、大会前に心配されたスター選手の相次ぐ不参加を問題にしなかった。

 指揮官のマイク・シャシェフスキーも「準決勝と決勝では我々のベストが出せた」とコメント。チームUSAの復権を託され、2005年から代表監督に就任したデューク大の名将は、3大会連続で全勝での金メダルと、最高の結果を残し有終の美を飾った。

 覇権を完全に取り戻したアメリカのバスケットボール界。だが、この大会でも多くのトッププレーヤーが参加を見送ったように、以前のような“ベストメンバーでなくても勝てる”という風潮までもが戻っている感はある。次の東京五輪で4連覇を達成するには、そうした油断は大敵となるだろう。

文●出野哲也(フリーライター)

※『ダンクシュート』2020年9月号から転載。

【PHOTO】NBA最強の選手は誰だ?識者8人が選んだ21世紀の「ベストプレーヤートップ10」を厳選ショットで紹介!
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号