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海外サッカー

バルサ、鉄の結束崩壊の危機!? レバンドフスキ、テア・シュテーゲン、フェルミン…チーム内部に地殻変動。指揮官は「エゴはチームの成功を殺す」

下村正幸

2025.09.03

フリック監督の2年目、バルサ自慢の鉄の結束にヒビが……。

フリック監督の2年目、バルサ自慢の鉄の結束にヒビが……。

 昨シーズンのバルセロナの快進撃を支えたのがロッカールームの強固な結束だった。スペイン大手一般紙『EL PAIS』によると、ハンジ・フリックが最も力を入れている点の1つであり、ドイツ人指揮官の就任を境に、一匹狼的存在だったロベルト・レバンドフスキやジュール・クンデのほかにも、スペイン人や外国人といくつかのグループに分かれていたチームが1つになったという。

 しかし今夏、その結束を揺るがす出来事が相次いだ。フロントとの対立に端を発したテア・シュテーゲンのキャプテン剝奪の処罰(その後解除)が代表例で、『EL PAIS』によると練習中に喧嘩沙汰を起こしたガビとフェルミン・ロペスの不仲、その卓越したリーダーシップで“キャプテンマークを巻かないキャプテン”と評されていたイニゴ・マルティネスの電撃退団、マルク・カサドとフェルミンの移籍の噂などもそうだ。フェルミンに関しては、チェルシーへの移籍報道が過熱する中でも沈黙を守った態度が批判の的になった。

 そのバルサがラ・リーガ第3節でラージョ・バジェカーノと1-1で引き分けた。昨シーズンも苦戦(2-1)した敵地バジェカスでの試合だったが、その戦いぶりをスペイン紙『SPORT』の元編集長、エルネスト・フォルチ氏は「フリックが昨シーズン構築した完璧に調整されたマシーンは、今シーズンの序盤にいくつかの不具合が生じており、深刻な軋み音を発しているように感じられる」と評した。
 
 フォルチ氏はさらに、その不具合がチームの結束力にも及んでいると示唆する。「移籍市場のクローズまで残留か退団かが分からなかったフェルミンの件は、昨シーズンと同じヒエラルキーを、全ての選手が受け入れているわけではない様子を示している。イニゴ・マルティネスのようなリーダーの退団、レバンドフスキの衰え、そしてキャプテンのテア・シュテーゲンの序列の低下を背景に、いくつかの地殻変動が起こっているのは明らかだ」

 くしくもラージョ戦後、フリック監督は、キツい表現で結束力を乱す行為の危険性を強調している。「個々の選手やミスについて話すつもりはない。これはバルサであり、我々は1つのチームだ。みんなで一丸となって取り組まなければならない。エゴはチームの成功を殺してしまうんだ」

 『SPORT』の現編集長、ジョアン・ベイルス氏も、「唯一の問題は、ロッカールームの雰囲気が昨シーズンとは異なる点だ。ラージョ戦の62分、ラフィーニャとダニ・オルモが交代のため2人揃ってピッチを後にする時の表情には希望を感じなかったし、フェルミンの不必要に騒動を引き延ばした行為も、最良の雰囲気作りにはつながらない」と警鐘を鳴らす。

 最終的にフェルミンはバルサ残留を選択し、移籍市場は閉鎖した。サッカーに集中できる環境を得て、チーム一丸となって取り組み、ロッカールームの結束を巡る不安も払拭したいところだ。

文●下村正幸
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