9月1日のセリエA第2節で決勝点をあげたインテルのロメル・ルカクが、敵地カリアリで一部サポーターから"モンキーチャント(猿の鳴きまね)"をされ、人種差別行為を受けた件は、世界中で大きく報じられている。
ルカクは翌日、自身のSNSで「人種差別に立ち向かうべきだ」と主張した。だが、その被害者であるルカクが所属するインテルのサポーター集団「ウルトラス」が、カリアリ・サポーターの行動を擁護したことが、議論をさらにヒートアップさせている。
ウルトラスが発表した文言はこうだ。
「カリアリでの出来事を君が人種差別と捉えていることを残念に思う。彼らのチャントはチームを助けるものであって、その手段のひとつに過ぎない。イタリアのファンは人種差別主義者ではない。あれは相手をただ挑発しているだけ。それを理解しないといけない」
なんと、ルカクに対する行為は人種差別ではなく、相手チームを苛立たせるための"応援"だと、チャントを擁護したのだ。
当然、この主張には再び反発する声が続出。今季からイスタンブール・バシャクシェヒルに加入した元セネガル代表のデンバ・バも怒りを露わにし、人種差別を理由にイタリア移籍を拒んだと明かした。 かつてニューカッスルやチェルシーでプレーしたデンバ・バは、ツイッターで「自分がイタリアでプレーできた時に行かなかった理由がこれだ」とコメント。「すべての黒人選手にはこのリーグから抜け出してほしいと願っている!」と、セリエAからの撤退を提案している。
「それによって、彼らのヘイトと愚かさが無くなることはないかもしれない。だが少なくとも、彼らがほかの人種に影響する事象を止めることはできる」
このトラブルの後、カリアリのトンマーゾ・ジュリーニ会長は、「再発を避けるにはゴール裏を閉鎖して大多数を罰するのではなく、特定して入場禁止にすることだ」と主張。イングランドを模範に、スタンド閉鎖処分を科すより、映像から差別行為をした者を特定して入場禁止にすべきと訴えている。
ただ、イタリアでは昨年もナポリのカリドゥ・クリバリがインテルの一部サポーターに差別行為を受けたという事例があり、カリアリにはユベントスのブレーズ・マテュイディらも差別された経験がある。
繰り返される差別に、イタリアサッカー界は有効な対応策を取ることができていない現状で、セリエAやインテルの対応にも注目が集まる。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
ルカクは翌日、自身のSNSで「人種差別に立ち向かうべきだ」と主張した。だが、その被害者であるルカクが所属するインテルのサポーター集団「ウルトラス」が、カリアリ・サポーターの行動を擁護したことが、議論をさらにヒートアップさせている。
ウルトラスが発表した文言はこうだ。
「カリアリでの出来事を君が人種差別と捉えていることを残念に思う。彼らのチャントはチームを助けるものであって、その手段のひとつに過ぎない。イタリアのファンは人種差別主義者ではない。あれは相手をただ挑発しているだけ。それを理解しないといけない」
なんと、ルカクに対する行為は人種差別ではなく、相手チームを苛立たせるための"応援"だと、チャントを擁護したのだ。
当然、この主張には再び反発する声が続出。今季からイスタンブール・バシャクシェヒルに加入した元セネガル代表のデンバ・バも怒りを露わにし、人種差別を理由にイタリア移籍を拒んだと明かした。 かつてニューカッスルやチェルシーでプレーしたデンバ・バは、ツイッターで「自分がイタリアでプレーできた時に行かなかった理由がこれだ」とコメント。「すべての黒人選手にはこのリーグから抜け出してほしいと願っている!」と、セリエAからの撤退を提案している。
「それによって、彼らのヘイトと愚かさが無くなることはないかもしれない。だが少なくとも、彼らがほかの人種に影響する事象を止めることはできる」
このトラブルの後、カリアリのトンマーゾ・ジュリーニ会長は、「再発を避けるにはゴール裏を閉鎖して大多数を罰するのではなく、特定して入場禁止にすることだ」と主張。イングランドを模範に、スタンド閉鎖処分を科すより、映像から差別行為をした者を特定して入場禁止にすべきと訴えている。
ただ、イタリアでは昨年もナポリのカリドゥ・クリバリがインテルの一部サポーターに差別行為を受けたという事例があり、カリアリにはユベントスのブレーズ・マテュイディらも差別された経験がある。
繰り返される差別に、イタリアサッカー界は有効な対応策を取ることができていない現状で、セリエAやインテルの対応にも注目が集まる。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部