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日本代表

「クボによって無駄にされた」決定機逃した久保建英に現地紙は辛口評価…一方でマドリー専門メディアは5分間の出場に憤慨

THE DIGEST編集部

2020.11.22

久保は89分から出場してチャンスに絡んだが、決定機を外して厳しい評価に。(C)Getty Images

久保は89分から出場してチャンスに絡んだが、決定機を外して厳しい評価に。(C)Getty Images

 11月21日(現地時間)、ラ・リーガ第10節が行なわれ、ビジャレアルがホームにレアル・マドリーを迎えた一戦は、開始2分にマリアーノ・ディアスのダイビングヘッドでアウェーチームが先制するも、「イエローサブマリン」は76分に獲得したPKをジェラール・モレーノが決めて追いつき、勝点1を分け合った。

 久保建英にとっては、所有元クラブとの対決という特別な一戦ではあったが、ラ・リーガでは3試合連続となるベンチスタートを命じられ、ウナイ・エメリ監督からゴーサインが出たのは終了間際の89分だった。

 プレー時間はアディショナルタイムを合わせても5分程度のものだったが、ジェラールのパスを受け、ペナルティーエリア左側でGKと1対1の場面を迎えるという、決勝点奪取のチャンスが到来。しかし、ダブルタッチから右足で放ったボールは、ケアしていたナチョに当たり、主役の座に躍り出ることはできなかった。

 エメリ監督は、このマドリーからのレンタル選手について「クボは今季、ビジャレアルの選手だ。だから、このチームのために起用している。彼はよく貢献しており、センセーショナルな勝利を収めるチャンスまであった」(日刊紙『MARCA』より)と褒め称えたが、多くのメディアは、彼のプレーを「逸機」と捉え、厳しい見方を示している。

 日刊紙『AS』は、選手寸評では「わずかな時間でトニ・クロースの警告を引き出し、クルトワに危機をもたらした」と好意的に綴る一方で、動画付きの別記事では「彼は自分の行為を後悔する」と題し、「利き足ではない足(右足)で致命的な解決策を採った」と批判的に報じた。

『MARCA』は言及なしも、採点は3点満点中の1点と低評価であり、ビジャレアルの専門メディア『VILLARREAL USA』は「何もできなかった」と一蹴(もっとも、同メディアは「どちらも勝者に値しなかった」と両チーム・全選手に厳しい……)。マドリードのラジオ局『Cadena SER』は「ジェラールの作ったチャンスは、久保によって無駄にされた」と、こちらも辛辣だ。
 
 国外でも、ベルギーの放送メディア『sporza』は「(ダブルタッチのフェイントは)クルトワを惑わすことはできたかもしれないが、まだ周囲には多くのDFがいた。この日本人は頭を冷やしておくべきだった」と綴り、ドイツの専門誌『Kicker』は「彼はチームメイトを見つけられなかった。他にやりようがあった」、そしてブラジルの総合メディア『globo.com』は「キックまでに時間をかけすぎ」と、いずれも厳しかった。

 対して、スペインの日刊紙『El Pais』は全く違う見方で、「クルトワ相手に見せた、足から足へとボールを移動させた素晴らしいプレー」と称賛した上で、彼に次のプレーを許さなかったナチョを評価している。

 最後に、マドリー専門サイト『Defensa Central』は、例によってエメリ批判を展開。「彼のクボへの“軽蔑”は明白だ」と憤慨し、「クボはラ・リーガにおいては、エメリにとって重要な存在ではない」と綴りながら、「クボに与えられた時間はわずか5分だったが、それでも彼は勝利のゴールを決めるところだった」と当てつけた。

 エメリ監督がローテーションを採用しているのは明らかであり、今回の起用は予想通りのものだったと言えよう。となれば、気になるのは、ここまで全試合先発出場を果たしているヨーロッパリーグだ。次戦は26日、マッカビ・テルアビブとのアウェーゲーム。前回は4-0で破った相手に、久保が90分間脅威を与え続けるのかが、楽しみである。

構成●THE DIGEST編集部

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